仮設撲滅。化学工場の各装置から廃油排水配管を接続しておく方が良い理由

工場運転

NEONEEETです。

化学工場では多くのタンクや反応槽を並べて使用します。

プロセスに疎い機電系エンジニアなら、何個の反応式をそのプラントが扱っているか怪しかったりします。

連続プラントで反応式自体が単純な場合は分かりやすいですが、バッチプラントになると反応式や生産品目が多くて、エンジニアが覚えるのは数個に限定されます。

プラント設計をするうえで意識しにくいですが、運転するうえでプラント設計思想として大事なことに廃油排水の概念があります。

これをプラント内のあらゆる設備から派生させていくべきというのが、今回の主張です。

プラント建設時には忘れ去られがちで、生産後の合理化・安定化の工事で行われがち。

典型的な反応フロー

廃油排水の流れを意識した化学工場の反応フローについて、典型例を紹介します。

数字で書いてある部分が、反応です。

この例では反応が合計4つあると思ってください。

バッチプラントでは1つの反応槽に対して1つの反応を行うと思って良いです。

例外的に1つの反応槽で2個の反応を行う場合もありますが・・・。

それぞれの反応槽で反応が終わった後に別の反応槽で後処理を行ったりしますが、それは省略しています。

着目すべきは以下のとおりです。

  • 排水が一部の反応槽から発生する(今回なら1と3)
  • 廃油が一部の反応槽から発生する(今回なら4)

ここで排水も廃油も特定の反応槽からしか発生しないので、専用の配管をそれぞれ敷設すれば問題ない。

と考えるのがプラント建設時です。

これが実運転時にはやっかいな問題となります。

廃油排水の共有化

実運転では、廃油配管も排水配管もそれぞれの反応槽から引っ張ってきたいと考えます。

強調して記載すると以下のとおり。

排水や廃油を種類ごとに分けて配管を分けるケースは一般的でしょうが、

共通して使える排水配管や廃油配管を1本引きます。

そこに各反応槽から繋ぎこんでいきます。

これがなぜ必要なのでしょうか?

答えは異常時の対応です。

  1. 反応槽2で反応が失敗してドラム缶などに移し替えて処分しないといけない場合
  2. 反応槽3が故障して臨時的に反応槽3を開放しないといけない場合
  3. スタートアップやスローダウンで運転とは別のルートで洗浄したい場合

反応の失敗

まず最初に思いつく異常が反応の失敗です。

運転に対して目が行かない機電系エンジニアは、反応が失敗するということについて想像しないパターンが多いです。

ちょっとくらい失敗しても後で取り返しが付く、とでも思っていればまだ良いのですが・・・

生産を数日止めるだけでプロセス途中の物を廃棄するなんてありえない。

なんて思っている人も本当にいます。

実際には、工場の中に山積みになっているドラム缶が反応の失敗による廃棄品かも知れないのに。

反応の失敗として考えられる理由はいくつかありますが、オペミス・計器の指示不良などによる反応系の環境が異常であることが多いです。

バルブの内通やガスケットからの漏れも反応の失敗となりえます。

原料中の異物も反応の失敗となりえます。

こういう失敗が起きた時に、反応槽の中身を抜き出すだけではなく、設備の洗浄をしないといけません。

抜き出した中身が特殊扱いの廃油廃棄物となり、洗浄廃水が特殊扱いの排水廃棄物となります。

これらをどうやって処理するか決まるまでの間、マルチ的に保管できる廃油排水タンクに移送することを考えます。

どの設備で失敗が起きるか分からないので、どこの設備からでも廃油や排水の移送ができるようにしておきたいですね。

装置の故障

反応の失敗と同じように設備が故障した時も、廃油排水問題は起きます。

設備が故障して内部洗浄をして補修しようとする場合、洗浄で発生した廃油は排水は反応の失敗と同じように特殊な処置をしないといけません。

下手をすると、壊れた設備の手前の工程の設備も廃棄しないといけないかも知れませんね。

この辺は、後処理に時間が掛かって、反応が進み過ぎて不純物ができた場合などが該当します。

どの設備が故障するか分からないので、どこの設備からでも廃油や排水の移送ができるようにしておきたいですね。

洗浄ルート

ここでいう洗浄ルートとは、スタートアップやスローダウンで通常の反応ルートとは違うルートでの洗浄を行うことを想定しています。

これは実際にありえます。

通常ルートでは排水を送る予定のない反応槽から、スタートアップやスローダウンでは送る可能性がある。

こんな場合には、フレキシブルチューブなどで仮設配管を引くことが多いでしょう。

仮設配管自体がリスクがあったり手間が掛かったりします。

頻度は少ないですが定期的に発生するので、配管を常設化したいですね。

最後に

化学工場の各装置から廃油排水配管を接続しておく方が良い理由を紹介しました。

反応の失敗・装置の故障・洗浄ルート

故障はエンジニアでも気づく可能性がありますが、反応の失敗や洗浄については気が付きにくいポイントです。

異常があったときに慌てず対応できるためにも、設備面で準備しておきたいですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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