回転機器の振動測定がバッチ系化学工場では重要視されない理由

撹拌保全

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、バッチ系化学工場では振動測定が重要でない理由について知ることができます。

結論

バッチ系化学工場で振動測定を重視しない理由は以下の通り。

  • 測定値の意味を理解する人が居ない
  • 重要な機器は据付予備がある
  • 間欠運転であり、運転時整備の調整がしやすい。

はじめに

バッチ系化学工場では回転機器の振動測定が重要視されていません。

その位置づけと、理由について紹介します。

バッチ系化学工場での振動測定

振動測定というと、普通はこれです。

  • 現場に加速度ピックアップをセット
  • 現場にFFTをセット。
  • 加振試験を実施。
  • FFTで周波数分析結果を測定・解析

なぜ普通かというと、私がこの方法で測定していたからです。

ところが化学工場ではこれが難しい。

防爆

化学工場で振動測定が難しい理由は

「防爆」

いや、本当に害悪。

防爆については、

良く分かっていない人たちが何となく最高に厳しい規制をして

皆で苦しんでいる

という格好になっています。

これは別のテーマとして是非とも取り上げたいです。

いずれにしろ、防爆タイプのFFTなどあまり需要が無く

防爆タイプの加速度ピックアップも需要がありません。

振動解析を出来る人が居ない

ただでさえ機械系学生が少ない化学工場。

振動に関する学問を研究レベルで修めて、化学工場で勤務している人ってどれくらいいるでしょうか?

振動解析をするには研究レベルで取り組んだ人しか無理です。

そんなレアな人に頼る技術を使うのは、

設備保全上はリスキー以外の何物でもありません。

簡易測定器

化学工場の現場では、これが実態です。

  • 月に1回くらい
  • 何も知らないおじさんが
  • 簡易測定器を機械に当て
  • 出てきた数字を記録する

簡易測定器とは防爆っぽくした振動測定器で

振動値が速度・加速度値で絶対値として出てきます。

周波数分析も何もありません。

振動測定の目的

振動測定の目的を考えましょう。

運転を継続したいが、いつまで継続できるか分からない状態になった機器の

気休めのための指標

これが振動測定で得られる結果です。

傾向監視する機器が少ない

現場で何かトラブルを発見した運転員から連絡を貰った保全員は

振動測定をします。

この結果、測定値に異常があっても、運転を止めません。

運転をしながら修理する方法を考えます。

そういう運転をする機器は普通は据付予備があります。

据付予備がある機器に対して、いつ切り替えるかを判断するために振動測定をする。

というケースもあるでしょう。

重要度が高いから据付予備を持つ。

重要度が高いから振動測定をする。

重要度が高い機器は、プラント全体からみると非常に数が少ない。

測定結果が悪くてもすぐに対応しない。

機械設備全般に言えますが、測定結果が悪くてもすぐに修理することはありません。

機械設備はすぐには壊れないからです。

傾向監視

これが普通です。

ある月に測定した結果が良くなければ、

次の月に測定して傾向を監視。

悪くなりそうであれば対応を考える。

  • チャンスを見てすぐに取り換える
  • 生産停止後の修理時に修理する

このどちらかです。

バッチ系化学工場では「チャンスを見て取り換える」という事が可能です。

これが連続工場との違い。

だからこそ、対応が簡単といえますし、振動測定に頼る必要もないと言えます。

おわりに

振動測定は、設備診断の重要な項目の1つです。

その振動測定ですら重視されない、バッチ系化学工場。

メンテナンスに対するレベルは低いと言わざるを得ません。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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