バッチ系化学工場でのポンプの仕様統一の3ステップ【全体最適】

ポンプ化学工学

NEONEEETです。

ポンプの圧力損失設計は分かりました!

おっと、そこに落とし穴が。

えっ、どういうことですか?

初心者が陥りがちな典型例を紹介しますね。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、バッチ系化学工場でのポンプの仕様統一について知ることができます。

ポンプの仕様は圧力損失だけで決めるわけでない

ポンプの仕様は圧力損失の計算だけで決まるわけではありません。

厳密には揚程を圧力損失の計算で求めますが ^^

その揚程も圧力損失の計算だけで決めるべきではない、という意味です。

圧力損失の計算は、以下の特質があります。

  • アカデミックで
  • 物理化学的な計算を行い
  • それなりの達成感をもつ

化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアは、複雑な科学技術計算を行いません。

せいぜい数行レベルの計算が10個あるかないか、という程度です。

だからこそ、圧力損失の計算は妙な達成感を得られます。

ここで満足して、揚程を決めてしまうと失敗することがあります。

それがポンプの仕様統一

ポンプの設計は、個別設計で満足して全体設計に目が行かなくなりがちです。

ポンプの仕様を統一するための3ステップ

ポンプの仕様を統一するためのステップを3段階に分けて考えます。

ステップ1:圧損計算をする【個別最適設計】

まずは圧損計算を地道に行います。

以下の方法を使って計算をします。

例えば、0.1m3/minのポンプの圧力損失計算を行い、22mという結果が得られたとします。

段階流量揚程
圧損計算0.1m3/min22m

この結果をもとに、仕様をどのように決めるかというのが問題です。

まず、0.1m3/min×22mとは決めません。

少なくとも揚程は5m程度の単位で丸めます。

段階流量揚程
圧損計算0.1m3/min22m
5m丸め0.1m3/min25m

ステップ2:類似ポンプを比較する【全体化】

ステップ2では類似ポンプを探します

通常は、同じプラントのポンプを列挙します。

最近は機器のデータベース化が進んでいるので、それを活用すると良いでしょう。

データベースに以下のように書いてあったとしましょう。


流量
揚程
0.1m3/min20m15
0.1m3/min25m2
0.1m3/min30m5
0.2m3/min20m4
0.2m3/min25m1
0.2m3/min30m10
0.4m3/min30m3

0.1m3/min×25mのポンプはたった2基しかありません。

これを見ても、0.1m3/min×25mのポンプを選定すべきでしょうか?

ここに目を向けるのが第2ステップです。

ステップ3:最終決定【全体最適設計】

ステップ3で最終決定をします。

揚程を上げるのが普通

今回の例で私の働く会社なら、以下のように決めることが多いです。

段階流量揚程
圧損計算0.1m3/min22m
5m丸め0.1m3/min25m
最終決定0.1m3/min30m

数が多い30mまで揚程をアップさせます。

こちらの方が、以下のメリットがあります。

  • ポンプをそのものの使いまわしが可能
  • 予備品を使いまわすことも考えられる
  • 電気回路も標準化できる。

設備を買った時のみに着目せず、中長期的なプランを練ることが大事です。

この思想は、設備を購入するときにはなかなか出てきません。難しいです。

流量を上げることはしない

話が脱線しますが、流量を上げて0.2m3/minにするという方向もあります。

こちらは普通は行いません。

  • 配管口径を上げないといけない
  • 電力ロスが大きい
  • ミニマムフローを確保できない

流量はポンプの諸性能に直結します。

揚程は少し多めでもバッチ系化学工場では困りません。

送り先が大気圧だからです。

送り先の圧力が高い・低いという圧力バランスを考えなくていいからです。

最後に

バッチ系化学工場でのポンプを仕様統一させる概念を紹介します。

圧力損失計算をするだけではありません。

類似ポンプを比べて、部品や設備の共有化を図ります。

この記事が記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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