【自社開発・技術導入・技術販売】化学工場の技術開発の程度区分

営業化学工学

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の技術開発の程度について知ることができます。

技術開発は一様ではない

化学工場では新規製品導入やプロセス開発を行う専門の部隊が居ます。

研究室や実験室のレベルで行うものですね。

私の所属する会社でもこの部隊が非常に大きいので、全体像がよく見えていませんが ^ ^

これを「研究開発」という大雑把な括りでまとめてしまいましょう。

下の記事の「研究」と同じ位置づけです。

この研究開発は、ターゲット先によって微妙に変化があります。

この「ターゲット先によって変わる研究開発の度合い」を今回は解説します。

設備エンジニアが分かる範囲での区分ですので、

厳密な研究開発部隊に言わせるともっと大きな違いや明確な違いがあるかも知れませんね。

ターゲット先として、社内なのか社外なのかが大きな差になります。

ターゲットが社内の場合自社開発や技術導入という形になり、

ターゲットが社外の場合技術販売という形になります。

技術販売の方が、量・質ともに高レベルになります。

化学工場の技術開発はここで差が付く

管理範囲の根拠が明確

管理範囲とは温度・圧力・pHなどの反応の主要指標の管理範囲のことを指します。

管理範囲を示す資料としてフローチャートやQC工程図があります。

ここに書いているデータが管理範囲の根拠となり、作業記録書の管理範囲値として使用されます。

そして、逸脱した場合には適切な処置をすることが求められます。

この管理範囲って、実はかなりの部分が「適当」です。

20~30℃で運転してください

って書いてあったとしても、

19℃では駄目なのか、31℃では駄目なのか

といった厳密なデータを取っていないことも多いです。

15℃、25℃、35℃くらいの3つでデータを取って問題がなかったから、

キリの良い20~30℃に設定した。

こういう場合の方が普通でしょう。

厳密に温度が大事な場合は、もっとシビアな管理をします。

25℃±2℃

こういう書き方をするでしょう。

20~30℃という表現は社内資料なら「常温」と書く会社もあります。

設備のデータシートや図面でも「常温」という表現を使いますよね。

技術販売なら、20~30℃と明確に書きつつその根拠も書くのが普通です。

逸脱時の対応が書いている

上の例で、20~30℃を管理範囲とした場合に、それを逸脱した場合について

文書で残さないのが社内資料残すのが技術販売

技術販売では以下のような文言を残します。

19℃でも31℃でも大きな差は出ないが、管理のしやすさを重視して20~30℃とする。

20~30℃の管理範囲を越えた場合は、次の〇〇工程の分析において、問題がないことを確認することで合格とする。不合格の場合は別途協議する。

とにかく、責任追及を逃れるための文言が必要です。

技術導入の場合、子会社の合併などで子会社の技術と親会社が受けるようなケースを想定します。

ここでは技術データが十分ではないので、親会社側が自社向けにデータ採取します。

技術販売の場合、自社の技術を他社に販売するケースであり、他社は中小企業であることが多いです。

データ解析ができる環境ではないので、問題が起きるたびに販売元に問い合わせざるを得なくなります

この煩わしさから解放されるために、逸脱管理の記述を事細かく記載しないといけません。

反応の重要事項を記載している

フローチャートなどに、反応物や温度・圧力だけを記載していても、反応の重要な事項は読み取れません。

管理範囲から重要度がある程度推定できるというくらいです。

反応によって発生する物質の諸データとして、以下のようなデータを書いている場合があります。

  • 生成物や副生成物のモル数
  • 分圧
  • 溶解度
  • 生成塩濃度
  • ガス発生速度

こういうデータがあれば、その反応で重要な視点を推測することができます。

機電系設計者・プラントエンジニア的には、溶解度やガス発生速度などが重要ですね。

設備の諸仕様を決める直接のデータとなるからです。

これを事細かく書くのは、当然ながら技術販売ですね。

昔はデータ収集が雑

これらの諸データですが、30年以上前は雑でした。

当時から生産を続けている品目の、技術資料を見てみると

情報量はかなり少ないです。 

当時データを採取する研究者だった人は、すでに定年間近もしくは退職済み。

こういう人たちが、

データ採取は細かくしなければいかん!

と鼻息を荒くしながら、若手に指導しているのが現状です。

納得いきませんよね。

自分たちはデータ採取が雑だったのに、それを棚に上げて、若手には厳しく言う。

社員教育と同じ構図です。

「そういう人が多い」という現状認識が大事ということです。

最後に

データ収集の量と質は、ターゲット先によって変わります。

特に社外への技術販売はデータを緻密に採取しないといけません。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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