【タンク・ポンプ・ヘッダー】バッチ系化学工場の自動弁と手動弁の位置関係

配管配管

NEONEEETです。

化学工場のポンプの出口やタンクの入口に自動弁を設置します。

この辺の思想は、わが社では明文化されていませんが、重要な考え方があります。

なお、自動弁と手動弁の組み合わせが対象となる範囲は色々あります。

今回は、1つのポンプ出口ヘッダーから複数のタンクにプロセス液を送る場合を考えます。

1つのポンプから1つのタンクに直接送り、他のタンクに送らない場合は、手動弁だけでOKです。

手動弁のみの基本形

自動弁を付けるケースを考える場合、基本である手動弁のみのケースを先に考えましょう。

ポンプヘッダー

ポンプヘッダーは手動弁だけが付いているケースが多いと思います。

複数の送り先に送る以上、いつ送るのかタイミングが分かりません。

この場合、タンクには循環ラインが設けてあり、循環ラインは常時空いています。

ポンプを止めて、液がポンプ側に一部戻ってきますが、これは循環ラインに流れていきます。

ポンプに液が逆流してポンプが壊れる可能性もありますが、その可能性は高くありません。

タンクヘッダー

タンクヘッダーに手動弁だけが付いているケースも多いです。

自動弁を付けるケースは、1ポンプから1タンクの1ライン直送ではなく、複数のタンクに送るケースです。

タンクには液受入ヘッダーが3~4個付きますが、普通の生産品目では、各ヘッダーに連結されているラインのうち1ラインしか使用しません。

あるタンクに4つ以上の液を受け入れるケースがほぼないということです。

その生産に使用するライン以外は全て遮断板を入れれば、別のラインへの混入の可能性はなくなります。

そうなれば自動弁を設置する必要はなく、手動弁だけを付ければいいことになります。

手動弁を付ける理由は、緊急遮断目的くらいでしょう。

入槽作業時には遮断板を入れるから、例えば配管や装置故障時にバルブを閉めて遮断するというのが主目的になると思います。

自動弁→手動弁

本題である自動弁を付けるケースを考えましょう。

基本は配管の低い方から高い方に向かって「自動弁→手動弁」の順番に付けます。

ポンプヘッダー

ポンプの出口には当然バルブを付けます。

流量調整用、ポンプ故障時の遮断用、ポンプ停止時の逆流防止用など様々な用途で使えます。

バッチ運転なら1日に1回、ポンプの起動停止があります。

上記用途のうち、1日に1回操作しなければいけないものは、ポンプ停止時の逆流防止くらいでしょう。

これは一般的には逆止弁を付けて対応するところが多いと思います。

逆止弁を付けても、次の起動時にポンプと逆止弁の間の気体を除去する作業があるので、開閉操作が完全になくなるとは言えません。

ポンプの起動停止を自動化するためにも、ポンプ出口は自動弁があった方が好ましいです。

基本形

普通は自動弁の2次側に手動弁を付けます。

良くある目的が、自動弁故障時に手動弁で遮断する、でしょう。

計装屋が良く言うロジックです。

プロセス屋・機械屋のロジックは手動弁で開度調整ができる、でしょう。

手動弁が1次側、自動弁が2次側で、手動弁の開度調整で流量調整をする事は基本的に好ましくありません。

開度調整をする事で液の流れが乱れて自動弁に掛かる力が乱れる方向にもなります。

例外

基本は配管の低い方から高い方に向かって自動弁→手動弁と順番に付けますが、例外があります。

手動弁→自動弁と付けるケースですね。

切替生産の多いバッチ工場の特徴的な例です。

ポンプヘッダーから各所に系統分けされているラインがあり、それぞれのラインに自動弁が付いていたとしましょう。

A製品ではAラインのみ・B製品ではBラインのみを使う場合、自動弁の内通の可能性を除去するために、A製品ではBライン・B製品ではAラインに遮断版を付けます。

この遮断板挿入作業は大変であり危険です。

負荷を少なくするためにも、荷重が掛からないような配管設計をするべきです。

今回の例では自動弁前後のフランジを外さなくても、遮断板が入れられるようにするべきです。

ポンプヘッダーのT管分岐後すぐに自動弁を付けるのではなく、先に手動弁を付けて、短い配管を挟み、その後に自動弁を付けます。

タンクヘッダー

ポンプ出口のヘッダーには自動弁が付いていなくても、送液先側のタンクに自動弁が付くことが多いです。

タンクの液受入ヘッダーに自動弁が付いているケースがこれです。

内容物のタンクが屋外タンク貯蔵所の危険物であったり、工場外から受け入れるユーティリティの場合です。

こういう場合は、タンク側に自動弁を付けて、ポンプ側には付ける必要がありません。

自動弁が壊れた時に遮断しやすいように、自動弁の1次側に手動弁を付けます。

とはいえ、こういう使い方をする場合、受入量の設定に流量計を使うはずなので、流量計積算値と連動させるon-off弁を付けます。

そこに自動弁がある以上、全く自動弁が付かないという訳ではなく、「ポンプヘッダーに自動弁が無い」というだけです。

タンクへの送り方による違い

タンクに自動弁を付ける場合、タンクへの送り方によって自動弁の付ける位置は変わってきます。

配管ヘッダー経由

プラント架構の中のどこかまでは1本のラインで導き、そこからヘッダーに分岐するという場合です。

ヘッダーには手動弁だけしか付かないケースが多いと思います。

あくまでタンク直近に自動弁を付けます。

プラント内のどこかにあるヘッダーに自動弁を付けるケースはあまりないと思います。

プラント思想がしっかりしていて、液の受入ステーションを付けている場合は、そこに自動弁を付けても構いませんが、どうでしょうか?

タンク直近に自動弁を付けている方が、配管内に溜まっている液がタンク側に流れる量が少なくなり、安定した運転に繋がります。

その意味でもタンク直近に自動弁を付けます。

水道管方式

工場内にヘッダーを設けずに工場内の架空配管から直接分岐して、ユーザータンクに送液する方式です。

水道管方式という場合もあります。

単純にヘッダーが無いため、管理が面倒です。

とはいえ各階の入口に手動弁を設けていればヘッダーの代替となりえるので、「そもそもヘッダーが必要なのか?」という問題もあります。

ヘッダーの場合は後で拡張する余地がある意味で、拡張性が高いです。

とはいえ、最初からヘッダーから各タンクに送液する配管を始めに作っておいても良いと思います。

新製品が導入されて設備を増設してラインを拡張するという可能性よりも、既存設備内で新製品を導入する方が多いので、最初にちゃんとした設備を導入できれば、後々楽になるはずです。

こういう長期的な思想をできる人は、私の組織でも10年に1人出るか出ないかです。

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