頭の体操。タンクのノズルを変えるとどの設計要素が変わるか?

ボイラー配管

NEONEEETです。

何かを決めるとき複数の要素を総合的に考えることは、ごく普通にあります。

設備の設計に限らず、エンジニアリングに限らず、です。

その要素が複雑であればあるほど難しい問題と言われます。

どんなことでも複雑に考えているとキリがないので、単純化するために標準やルールなどがあります。

この辺の前提を考えていない場合・・・

タンクのノズルを大きくしました。

どんな理由でですか?

将来、大きくする可能性があると思ったからです。

こんな感じの唯一絶対の答えを探そうとする人が多いです。

そんな絶対的に正しい1つの答えなんて、エンジニアリングであるわけないのに。

丸暗記するように教え込まれたエンジニアから脱却するためには、広い視野で複数の物事を考える必要があります。

これをタンクのノズルを例に挙げて解説します。

タンクのノズルを変えると影響を受ける設計要素

タンクのノズルを変えるケースとして、標準よりも1つノズルを足すケースを考えます。

  • 竪型の皿型タンク
  • 天板にノズルを1つ足す
  • ノズル個数は社内の標準で定めている

こんな環境でさらに1つノズルを足したいという時を想定しています。

ノズルは多い方が将来拡張余地が出るから、できるだけ多く付けたいですよね。

コスト

ノズルを1つ増やすと、当然コストが上がります。

当たり前ですが大事なこと。

  • 1つノズルを追加してプロジェクトの予算範囲内に収まるのか
  • 追加したノズルは金額に見合った機能を発揮するのか

この辺りを考えないといけません。

機能は分からないけどとりあえず付けたいという意思表示があればまだしも、ノズルを追加したいという要望すらでないのが現実です。

さすがに、予算は見てほしいところですが、金額が少ないから無視しているエンジニアも多いです。

スペース

ノズルを1個足すということは、スペースを圧迫するということです。

これも当たり前のこと。

ですが、ノズルを足したいけど足せるかどうかわからないと思考放棄するエンジニアも多いです。

ちょっと簡単な計算すれば推測できるのに。それすらしない。

何となく足せると嬉しいからメーカーに検討して欲しい。

これくらいの感覚でいるエンジニアは多いです。

スペースが必要という当然のことにすら発想が行き届かない・・・。

強度

ノズルを1つ増やすと、タンクの強度は下がります。

当たり前のことですが、(以下略)

タンクの強度計算はメーカーに丸投げすることが普通なので、1個ノズルを足してもメーカーが何とかしてくれると思っています。

強度を落としてまでノズルを足す必要があるのか、という視点でも考えたいところです。

バッチ系化学工場ではかなり低圧の条件でしか使わないので、ほとんど気にならないですが

影響がでるという意味で正確に理解しておきたいことです。

更新範囲

現在のユーザーエンジニアリングで最も多いのは既設の更新です。

既設と同じ形にすれば何も考えなくてすみそうですが、1個でもノズルを足すと

更新範囲が変わってしまいます。

これを嫌がるエンジニアは多いですが・・・。

実際には設備が変わるとノズルも完全に同一にはできず、第一フランジまでの配管は更新するのが普通です。

ノズル1個足しても影響はほとんどないといえます。

標準という思想

今回の前提として標準図面という思想があります。

標準図面とはその工場で「普通はこれを使っておけば合格点だよ」という技術パッケージとも言えます。

もしくはメーカーの標準図面も同じ扱いで使えるでしょう。

メーカーの標準図面とユーザーの標準図面が違う場合は、ユーザーの標準図面を優先することになりますが・・・

変な肉付けがされ過ぎて、意味不明な仕様が標準化されているケースが多いです。

標準タンクに1個ノズルを足すということは、標準からずれた設計をするということ。

標準をちゃんと意識していない人が、標準からずれた設計をすると、型破りではなく単なる型無しです。

社内に標準図面という形に残っていなくても、類似工場の標準であったり、工場内で最も多数の形であったり、最近導入した設備の多数の形であったり、何かしら参考にできる物はあるはずです。

プラントの性質に応じた設計を

標準という思想は、バッチ系化学工場に多いです。

連続系化学工場では個別最適化されたプラントが多く、共通の設備という発想は少ないです。

据付予備とか台数制御というレベルではバッチプラントよりも進んでいますが、

10個以上あるプラントの反応槽20個(計200個以上)を数パターンで揃えるというレベルでは珍しいでしょう。

この辺りはプラントの性質に応じた設計となります。

ノズル1個くらいどうでも良いだろう・ノズル1個変わるだけで将来の困難を回避できると思うのか

ノズル1個足しただけで改造範囲が大きくなると思うのか

少なくともノズルを変えることで出る影響を理解したうえで設計しましょう。

最後に

タンクのノズルを変えると影響を受ける設計要素を紹介しました。

コスト・スペース・強度・更新範囲に影響を与えます。

標準という思想に従って、標準からずらすかどうかをプラントの性質に応じて設計しましょう。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました