【ノズル設計】屋外貯蔵タンクに見るタンク出口ノズルの設計

配管化学機械

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、化学工場の屋外貯蔵タンクの出口ノズル設計について知ることができます。

結論

タンク出口ノズルは元弁のモーメントが掛かる

ノズルには強度保障のための当て板を当てる。

はじめに

屋外貯蔵タンクは化学工場以外にも数多く見られます。

タンク出口のノズル設計は流儀がいろいろありますが、基本的な考えを整理したいと思います。

タンクノズルという場合、各ノズルに色々な機能がありますが、今回は最も重要な液出口を対象にします。

ノズルサイズ

出口ノズルのサイズは、タンク液量とポンプ能力で決まります。

実質はポンプ能力でほぼ決まります。

タンク液量はどちらかというとサブ的な要因

ノズルにかかる力

出口ノズルはタンク側板に付きます。

側板ノズルには元弁が設置されます。

元弁がある以上は、ノズルにはモーメントが加わります。

この力を評価しましょう。

普通なら無視可能な力ですが、ノズル周りはそうはいきません。

弁の重さ

タンク元弁は普通は80Aくらいを使います。

50Aだとかなり小さく、応用も効きません。

この元弁の重量は約30㎏です。

80Aのボールバルブは約20㎏

エアー駆動用のエアーシリンダが約10㎏

元弁は緊急時に遠隔操作が可能なようにすることが最近のトレンドになっています。

弁の大きさ

80Aのボール弁は面間が100mm程度です。

ノズルの長さ

タンク側板のノズルは通常100mm程度出します。

これは元弁を付けるためのボルト長さでほぼ決まります。

ボルト長さはフランジ厚みでほぼ決まり、

80AのJIS10kのフランジ厚みが18mm

フランジ2枚で36mm

ボルト穴計19mmなので、ボルトはM16

ボルト頭の寸法10mm

M16ナットは8割ナットで13mm

M16ピッチが2mm、3山で6mm

ガスケット厚みは3㎜

合計でボルト長さとして必要なのは

36+10+13+6+3=68mm

100mmあれば十分だという考え方です。

元弁のモーメント

元弁の腕の長さは200mmです。

タンクノズル100mm、元弁の面間200mmから

100 + 200/2 = 200

と決まります。

元弁の重さ30㎏、タンク側板からの腕の長さが200mmなので

30 * 9.8 * 0.2 ≒ 60 N・m

と計算することができます。

ノズル板厚

ノズル板厚を真面目に計算するには、円筒胴にモーメントを加えた時の曲げ応力を計算することになります。

化学工場のエンジニアではそこまで計算はしません。

簡易的に梁のモーメントと曲げ応力の関係を評価しましょう。

断面係数

断面係数は長方形断面として

Z=b*h^2/6

を使います。

hはここでは板厚であり、まずは4mmで考えましょう。

bはノズル80Aをそのまま当てはめて、0.08m。

断面係数Zは0.08*4^2*10-6/6 ≒ 0.2*10^-6 m^3

曲げ応力

曲げ応力σは

σ=M/Z

で計算します。

M=60 N・m、Z=0.2*10^-6 m^3を使ってσは

60 / 0.2*10^-6 = 1.2*10^8 N/m2 = 120N/mm2

評価

120N/mm2という曲げ応力が妥当かどうか評価しましょう。

鉄の引張強度は400N/mm2です。

安全率を4とみて、100N/mm2を許容応力とみても

120N/mm2という曲げモーメントには対応できません。

はりの曲げ応力の計算であり、モデルが違うことによる差はありますが、

オーダーが大きく変わることはありません。

板厚を上げる

板厚4mmの側板では、曲げモーメントに微妙に対応できなさそうだと評価しました。

それでは、設計上どういう対応をしましょうか。

板厚を上げるしかありません。

ここで、基本的な考え方は板厚4mmの板を重ね合わsる。

4mm+4mm=8mmの板厚で曲げモーメントを支えるという考えです。

板厚が2倍になると、曲げ応力は1/4になります。

これで安全率をかなり上げることが可能です。

板厚を4mmでなくて、もう少し薄くてもいいのでは?

という議論も可能ですが、それは省略します。普通はしません。

おわりに

タンクノズルに当て板を当てる、ということを知っている人は多いです。

しかし、この評価を簡易計算レベルですらしないひとが、近年増えています。

今回の例程度でいいので、簡易計算ができると、理解の幅が広がります。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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