シールレスポンプは空運転に注意【即故障】

ポンプ運転

NEONEEETです。

渦巻ポンプってメカニカルシールの故障が多くて使いずらいですよね。

メカニカルシールにだけ着目すると、渦巻ポンプの方がデメリットがあるように見えますよね。

でも、シールレスポンプも弱点がありますよ。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、シールレスポンプの弱点を知ることができます。

シールレスポンプは空運転が弱点

シールレスポンプは空運転が弱点です。

空引きとは、「ポンプ内に液が無い状態で運転すること」です。

シールレスポンプは、ポンプ内に液体が存在していることが前提の設計をしています。

液体が存在しない状態で運転することで、空運転が起こり故障します。

これは「渦巻ポンプのメカニカルシールに冷却水が流れていない」ことと同じくらい大事なこと。

シールレスポンプの故障の中でも、ダントツに多いのが空運転です。

空運転の原理

空運転の原理をかんたんに紹介しましょう。

羽根車には液体圧が加わる

ポンプの羽根車には液体の圧力が加わります。

下の図を見てみましょう。

これはポンプに液体が通っている時と思ってください。

ポンプは正面吸込み・上面吐出しを考えています。

液体の圧力は吸込み口側に動くように働きます。

吸込み口側の方が圧力が低いからです。図の青色で示している力です。

この青色の力に対して、ベアリングで支えるように運転しています。図の赤色で示している力です。

液体が通っていないのに運転をしようとする「空運転」の状態を見てみましょう。下の図です。

青色の液体の力が掛からないので、ベアリング側に引っ張る力が加わります。

このまま、羽根車とケーシングが接触して、激しい摩擦で熱が出て破壊します。

これが空運転で起こることです。

空運転を防ぐ方法

空運転を避けるために運転面でできることを紹介します。

充液確認をする

ポンプの空運転が起きないようにするためには、

ポンプに液がいることを確認します。

最も簡単な方法は「人が確認する」です。

ポンプ起動時にポンプ出口の抜き弁から液を抜きます。

これでポンプ内に液がいることは確認できます。

ただし、起動のたびに人が操作しないといけないので面倒です。

特定の場所では、圧力計液面スイッチを使うでしょう。

液抜きをすることがリスクになるような、危険な液体に限るでしょう。

電流値でポンプを止める

空運転が起きないように、電気回路上で処理を行います。

ポンプに液体がいないと、電流値は低くなります。

ポンプの運転を行い、運転時の電流値を調べます。

液体が無くなってくると、電流値は低くなるので、その値を記録します。

運転値の電流に対して、空運転が起きそうなタイミングの電流をセットします。

空運転が起きるちょっと手前になると、自動的にポンプを止めるようにします。

ポンプを止めた後は、窒素で圧送します。

これで全量送り出すことは可能。

空運転の設備面での対応

空運転に対して設備面でできる対応を考えましょう。

接触部の部品

空運転で問題になるのは、羽根車とケーシングの接触部です。

この部品に対して対策を取るのが普通です。

  • 取り買え可能な部品にする
  • 硬度を上げる
  • 厚みを増やす

この辺りの対策は、メーカーが普通に行っていることです。

電流値による制御

ユーザー側では、電流値を監視するなどの方法が採れます。

空引きの場合、送液する液体が存在しないので、ポンプは仕事をしません。

そうすると電流値は低いままです。

  • ポンプの運転信号を受ける
  • 電流値を監視する
  • 一定時間たっても電流値が上がらなければアラームを出す。

こんな対応が可能です。

DCSでシーケンスを組むか、電気回路上でリレーを組むかのどちらかの選択になります。

最後に

シールレスポンプで避けられない空運転の問題を紹介しました。

バッチ系化学工場で基本的な事項ですので、押さえておきましょう。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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