【防爆・安全】化学工場で設備の進化を止める各種規制

トラブル法律

NEONEEETです。

化学工場の設備ってなぜ変わらないのですか?

変えたくないからですよ

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学工場で設備の進化を止める各種規制を知ることができます。

化学工場で設備の進化を止める各種規制

化学工場の設備の進化を止める各種規制を紹介します。

化学工場の設備はこの30年くらい「まともな進歩」はしていません。

進化しているのはDX関係・制御関係の部分に限定されています。

進化しない理由は各種規制。

どんな規制が設備の進化を止めているか、その例を紹介します。

社外の各種法律法規

社外の規制といえば、法律法規。

自由な製造を許さないためにも規制は必要です。

ところがこれが行き過ぎていると感じます。

岩盤規制ってこんなところにもあるんですね、と。

化学工場の設備を規制する法律として、消防法・高圧ガス保安法等や労働安全衛生法・環境規制法など本当に多くの種類があります。

設備を進化させるために、これらの規制を満足しないといけません。

材質

設備の材質に関する規制が、法律では非常に厳しいです。

消防法では例えば金属以外の材質は認められていません。

樹脂系は確かに強度が弱く信頼感がありません。

ところが、これは新たな技術を開発する阻害となっていると感じます。

装置はまだしも配管やバルブ類はいろいろな材質をトライできる環境になって欲しいですね。

バルブ類は当然ながら地道に消防法の適合を目指して開発されています。

ところが、普通は消防法以外の汎用のバルブを開発しますよね。

消防法などの規制があるがゆえに、開発対象としては後回しになってしまいます。

これは設備の進化を止める大きな要素ですね。

防爆

防爆は化学工場の進化を止める大きな要因です。

  • 電動機
  • 計測機器

この2つが防爆の規制を厳しく受けます。

電動機は高効率モーターなどが定番の例。

高効率モーターは非防爆機器から開発されていき、防爆機器は後回しになっていますよね。

新たな技術開発をするときに防爆規制があるがゆえに後回しにされていきます。

計測機器としては温度・圧力・液面・流量などのプロセス計器以外のものが挙げられます。

プロセス計器は防爆対応も進んでいてある程度の選択肢がありますが、

その他の汎用的な計器を化学工場の計測用に使うにはハードルが高いです。

例えば、カメラなどの画像関係、振動・騒音などのメンテ関係は弱いです。

カメラは防爆対応の物がようやく販売されてきて、DXの目玉となっています。

振動・騒音はまだまだこれからですね。

防爆規制があるがゆえに、これらの設備進化は遅いです。

社内の各種規制

社外の規制に輪をかけて厳しく規制をするのが、社内規制。

法律法規よりも厳しいレベルで自主管理していると言えます。

しかし、そのためには過剰なコストが掛かっているのも事実。

物性・プロセスの安全性

物性の安全性やプロセスの安全性は化学工場では必須の検討事項です。

新たな生産品目を導入する場合は、絶対に考えないといけません。

万が一でも安全性が担保できない場合は、大事故に繋がりかねません。

安全性を確認するために、何年も何回もの検討会を重ねていきます。

非常に膨大なチェック項目をパスしたものだけが生産を許可されます。

例えば、SDSを見てみるといいでしょう。

防黴な項目が書いていますよ。

それでもオペレーションを失敗すると事故が起きることがありますからね。

化学って怖いです。

だからこそ、新しい製品を開発する速度がどんどんと遅くなっているのが現状。

化学の可能性は無限大

って非現実的な話です。

現場作業の安全性

現場作業の安全性も規制の1つです。

実際の現場作業の安全性を確保するために、過剰なコストを掛けていく方向になります。

新たな設備を導入しようとすると、何度もトライアルをさせられます。

例えばサンプリング装置とか仕込・充填作業などのハンドリング関係です。

コストだけでなく時間も掛かります。

それなら今までと同じ設備で良いや、って思うことも。

工事の安全性

工事の安全性も規制の1つです。

現場作業と同じく工事も安全性を確保しようとすると、コストが掛かります。

例えば、ボルトを締めるインパクトドライバーを規制して手締めをする風潮が化学工場では強いです。

手締めの方が時間が掛かり、工数やコストに響きます。

インパクトドライバーを使うと、ガラスライニング配管などで破損を起こすことがあります。

この辺のバランスが難しく、工事会社の監督がコントロールすることはできないので、

一律で手締め

という規制が入るのが化学工場あるあるです。

分かりやすいのですが、厳しすぎですよね。

最近では、この規制もかなり緩くなってきました。

そうしないと、工事作業員が集まらないからですね。

社内規制を強くした場合、外部の環境変化で強引に規制を変えていくという受動的な流れになります。

設備メーカーが開発した品を国に認定をもらうことと同じ構造が、そこにはあります。

最後に

化学工場で設備の進化を止める各種規制を紹介しました。

材質・防爆の規制と社内の安全規制

万が一の問題も許容できない環境だからこそ、新たな開発が進みにくい分野が化学工場です。

かなり注意しないと、思考が凝り固まってしまいがちですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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