【データだけ】バッチ系化学工場での「補修費解析」の実態

保全保全

NEONEEETです。

補修費を全額使い切りました。

それで終わったら保全エンジニアじゃないでしょ・・・。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、補修費解解析の実態について知ることができます。

補修費解析の実態

今回の記事では、補修費解析の実態について解説します。

「補修費」とは工場設備の補修に関わる費用のことです。

会社によっては「修繕費」という表現をすることもあるでしょう。

化学工場では機械系エンジニアの保全担当者が責任を持つ費用です。

会社の費用である以上は個人の財布とは違って、ちゃんと管理しないといけませんよね。

それが保全エンジニアに本当に可能なのか?

私はかなりの疑問を持っています。

これはプロジェクトの予算管理を行う設計エンジニアに対しても同じ。

お金の勉強をしていない人が数億規模の予算を管理しようとしていますからね。

会社としてはリスキーな行為としか言えません。

特に保全はPMに関するさまざまな定義があり、複雑な概念を日常的に使いこなさないといけません。

これが現実的に管理できる部隊は、日本ではほとんど存在しないのではないでしょうか?

相当の大企業でエンジニアが多数存在する場所でないと無理です。

少なくとも私が働く職場では機能していません。

そんな実態を紹介します。

解析データは一人前

一定規模の会社だと解析データは一人前です。

解析すべき項目を整理して、トラブルが起こるたびにそのカテゴリーに当てはめていきます。

例えば、機種ごとに費やした補修費の割合は1つのデータ。

  • 動機器   47%
  • 静機器   14%
  • 配管弁   20%
  • その他   19%

「動機器」とはポンプとか攪拌機のようなモーターを使う機械です。

「静機器」とはタンクなどの部品の動きが無い機械です。

この費用に対して、理由も分類します。

  • 単純修理  71%
  • 運転中整備  6%
  • 定期修理  14%
  • 運転改善   6%
  • その他    3%

単純修理とは、壊れたから直すBM的な要素です。

運転中修理がCBM的に補修したものですね。

TBM・CBMが適切に機能している安定なプラントであれば、定期修理に掛かる割合が高くなります。

この2つのデータを使って、今後に生かすのが「保全」です。

解析に対する解釈は三流

ではこの解析データをどうやって活かしているかの実態を紹介します。

がっかりしますよ。(笑)

  1. 動機器の比率が高く老朽化が進んでいる。予算を申請して対応中。
  2. ユーティリティ配管の老朽化が進んでいる。計画的に更新する必要あり。
  3. 単純修理が多いのは、機器内部の錆やボルトナット外れが多いから。原因追求と対策の必要性あり。

これだけです。

これだけを長ったらしい文章にして「報告書」として仕上げるばかり。

あとは、過去のデータを単に添付するだけ。

少し知恵があれば、グラフを付けますがそれで終わり。

これがほとんどの会社の実際だと思います。

どういう解釈をすればいいのか

上の例で、保全業務で必要なデータ解釈の例を紹介します。

解析データ自体は、変えようがありません。

データの仕分けを気分で変えても良いことはあまりありません。

結果に対する解釈を深掘りすることに、力を費やすべきです。

動機器について

動機器に費やす費用が47%なので、確かに高いです。

単純修理に使う割合が71%もあるので、動機器の単純修理にかける費用も高そうですね。

ただし、動機器に対する単純修理の割合が多かったかどうかは、データとしては分かりません。

定期修理で使った費用のすべてが動機器とすると、単純修理は実は配管やガスケットなどの割合が高いかも知れません。

動機器の費用が高いということを議題にしても、データが深堀できません。

この場合は、次年度では「単純修理の原因分類」を1つのデータとして取得する、ということが課題になります。

そして次年度でデータを取ればいい。

データを取らずに、行き当たりばったりで予算申請をして更新する。

これでは保全としては意味がありません。

配管について

配管はユーティリティが多いと解釈していますよね。

でもデータには、ユーティリティとプロセスの仕分けはありません。

これは保全エンジニアの経験に頼ってしまった解釈です。

本当なら、ユーティリティとプロセスの仕分けをしたデータを作らないといけません。

会社の保全として仕分けルールを急に変更できなくても、

自分が担当する工場に限ってはデータの細分化ができるはず。

単純補修について

単純補修の内容として、錆やボルトナット外れを理由としていますが、

さらに深堀りできるはず。

  • 錆がボルトナットが、どういう場所に多いのか、特定しているか
  • 錆とボルトナットの割合がどれくらいなのか。

硬い会社だと、データで示せ!と言ってきそうですが、実際には

錆が〇割・ボルトナットが△割

というような割合程度のデータでも十分です。

データ解析をすると%の1桁オーダーで数字は出ますが、解釈上はほとんど意味がありません。

「割」のレベルで十分です。

この認識が無い保全エンジニアは、「%レベルでデータを集めるのが無理」といって解析を諦めます。

これは工場の保全に対する不幸の始まり。

最後に

補修費解析の実態について紹介しました。

補修費解析の実態として、解析データと実態を紹介したのち、解釈すべき例を紹介しています。

保全エンジニアが本来行うべき仕事です。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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