【レイノルズ・プランドル・グラスホフ】対流熱伝導率の基本式

物理化学工学

NEONEEETです。

化学設備の熱計算では熱交換器ハンドブックのお世話になることが多いでしょう。

ところが、このハンドブックは使い方を誤りやすいので注意が必要です。

私の職場では、対流伝熱を良く扱うので、そこに絞って解説します。

ページ数が多すぎて分かりにくい

熱交換器ハンドブックは1000ページ以上の膨大な紙の資料です。

非常に重たいです。

記載している内容は、極めて専門的で「重たい」内容です。

伝熱計算を行う技術者にとっては、専門的なハンドブックとして活用する機会が多いでしょう。

読書経験の多い人やノウハウを持っている人なら、本の中から重要な部分だけを抜き取ることができますが、最近の若手のように本の扱いになれていない人には難しいでしょう。

基本思想がどこに書いているか分かりにくい

伝熱の計算を行うためには、伝熱理論を抑えておかないといけません。

ハンドブック上にも記載がありますが、どこに書いているのか分かりにくいです。

なぜなら基礎式以外の近似式と適用例が膨大に乗っているからです。

いきなり近似式を使おうとする

ハンドブックを使う上で、いきなり近似式を当てはめようとする人が多いです。

どういう式を使えばいいか、膨大な紙の中から調べるのが面倒なので、答えを最速で調べようとするからでしょう。

  • ハンドブック上に付箋を貼って、必要な時にはそこを見に行く
  • 計算をしたエクセルシートにハンドブック上の式番号を書く

これの危険性は語っても語り切れません。

  • 基礎式を理解せずに、盲目的に近似式を使う。
  • 近似式が表している物理的意味を理解できないまま、年を取り、使えないエンジニアとなる。
  • 適用先の間違った近似式を、平気で使用する。

悲しい結果が、最近目立つようになっています。

無次元数の理解が大事

対流伝熱の近似式は、非常に複雑ですが、次の関係式をまずは抑えておかないといけません。

Nu∝Nu(Pr,Re) 強制対流

Nu∝Nu(Pr,Gr) 自然対流

Nuはヌッセルト数、Prはプランドル数、Reはレイノルズ数、Grはグラスホフ数です。

Nuは無次元化された熱伝達率

教科書的にはこれしか書いていないでしょう。

非常に分かりにくいですね。

この無次元数は、対流熱伝達率と伝導熱伝導率の比を示しています。

対流伝熱が起こる場合、対流源である流体と、別の物質との間の議論がなされます。

この対流源は別の物質と違うものなので、必ず「境界」があります。

この境界部とそれ以外とでは、色々な要素が違うために分けて考えます。

境界部を境界層といいます。対流伝熱はこの境界層の伝熱と考えても大きなズレはありません。対流源以外に、色々な要素の影響を受けます。

境界部より外側の領域では、流体源そのものの特性だけで決まります。

そこで境界層とそれ以外との比を取って、一般化しましょうというのがNuと私は解釈しています。

Prは動粘度と温度拡散率の比

Prは動粘度と温度拡散率の比です。

これも分かりにくいですね。

動粘度?温度拡散率?なぜこういう要素が影響するのでしょうか?

温度の伝わり方そのものの解釈を考えないといけません。

温度拡散率は、比熱・熱伝導率が大きな要素です。比熱とは熱容量そのものなので、「物質がどれだけ熱を保有できるか」ということと「その物質が周囲にどれだけの熱を伝えられるか」という比で決まる数字です。

温度拡散率はまだ分かりやすいですが、粘度はどういう意味でしょうか?

熱の伝わり方に粘度が大きく影響するからです。

熱は、物質の分子が微小な動きを隣の分子に伝えることで、伝わっていきます。

粘度が高いと分子の動きが遅いという事なので、分子間に伝わる熱の移動量も小さくなります。

温度が高い方が。粘度が低く温度も伝わりやすいので、温度拡散率に温度依存性を持たせる無次元数、という言い方もできるでしょう。

強制対流はプランドル数とレイノルズ数に依存する

強制対流は、ポンプ等の強制的な力で流体が動くケースです。

強制的に動かす場合、レイノルズ数が大きな影響を与えます。レイノルズ数が大きいほど乱流、小さいほど層流です。

乱流であるほど、速度が高いという言い方もできます。

速度が高いほど熱は伝わりやすいですね。

自然対流はプランドル数とグラスホフ数に依存する

自然対流ではレイノルズ数よりもグラスホフ数の影響を受けます。

簡単に言うと浮力です。

化学工場の場合、自然対流に頼る装置が少ないため、あまり使う機会がありません。

こういう概念があるという理解をしているだけで十分でしょう。

必要な時に調べられたらそれでOKだと思います。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました