【慣性モーメントGD2】ポンプのインペラの形と流量の関係

ポンプ化学機械

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、ポンプのインペラの形と流量の関係について整理ができます。

結論

ポンプのインペラ寸法とポンプの仕様の関係の概要は以下の通りです。

インペラ径は回転速度と周速のバランスで決まる。

インペラ厚みは流量と揚程のバランスで決まる。

はじめに

電気の話は、ほとんどの人は理解していません。

電気を知らない大半の人はそもそも勉強する気がない。

電気を知っている工場の電気専門家が素人に教えるのが下手。

という状況がどこの工場でも多いのではないでしょうか?

そこにチャレンジする企画です。

慣性モーメントの定義

インペラの形や速度を議論するとき、慣性モーメントの話が欠かせません。

慣性モーメントと質量の関係

トルクを考えるときに、慣性モーメントという表現を使います。

これはトルクを考える系が回転系だからです。

これに対して、高校物理で最初に学ぶ直線系では表現が多少違います。

$$F=ma$$

$$T=J\frac{N}{t}$$

直線系では力=質量×加速度

回転系ではトルク=慣性モーメント×回転角速度

という表現になります。

トルク=力×距離

であり、

加速度 = 距離×回転角速度

という次元の関係があるので

慣性モーメント = 質量 × 距離^2

となります。

慣性モーメントは質量×断面積

慣性モーメントは質量×断面積で定義されます。

質量が大きいほど、断面積が大きいほど

慣性モーメントは大きくなります。

慣性モーメントが小さいほど、速度は高い

慣性モーメントは質量とほぼ同じ扱いが可能です。

慣性モーメントが小さいほど、同じトルクでも速度が高くなります。


慣性モーメントは回転系の質量

インペラの形と慣性モーメント

慣性モーメントの話を、ポンプのインペラにあてはめましょう。

インペラ径が大きいほど、回転速度は低い

インペラ径を大きくすると、慣性モーメントが大きくなります。

慣性モーメントが大きいと、同じトルクでも速度が下がります。

ポンプの流量は、インペラの回転速度に関係しますので

インペラ径が大きくなると、ポンプの流量は下がります。

インペラ径が大きいほど、流量は高い

インペラ径が大きいほど、インペラ先端の周速は大きくなります。

インペラの周速が大きいほど、ポンプの流量は上がります。

上の2つは矛盾する表現のように見えますが、両者のバランス点で仕様が決まると考えてください。


インペラ径は、回転速度と周速のバランスで決まる。

インペラが厚いほど、流量は下がるが高圧に耐える

インペラが厚いということは、インペラの強度が強いということです。

インペラの強度が強いと、高圧に耐えやすいと言えます。

ただし、インペラが厚いということは、慣性モーメントが高いということになり、

流量が下がる方向になります。

おわりに

ポンプのインペラサイズは、慣性モーメントの考えから

流量・揚程と結びつけることが可能です。

細かい設計はメーカーにお任せするとして、

物理的な原則から、ポンプの一般論が議論できるようになるだけで、

ユーザー側の機電系設計者・プラントエンジニアとしては合格点です。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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