【受注生産・見込生産】生産の受注形態と化学工場での関係性

工場運転

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の生産の受注形態とその関係性について知ることができます。

受注生産と見込生産

製造業の受注形態として受注生産見込生産の2つに大きく分けることができます。

「ものつくり」という観点からは個別受注という形態もありますが、これは人手中心の生産形態。

製造業としては考えなくていい形態です。

化学工場の社員がこの形態を意識するとき、自社のことや原料のことを考えるのが普通です。

ところが、機電系設計者・プラントエンジニア違った目線も持たないといけません。

今回は、受注生産と見込生産に関して化学工場に関わりのある部分を紹介します。

見込生産型

見込生産は、下記のいくつかの要因を含みます。

  • 不特定多数の顧客
  • 繰り返し性が高い
  • ロットは大きい
  • 在庫を持つ
  • 専用設備が多い
  • 需要予測・在庫管理が大事

化学工場は見込生産

化学工場の生産方式が見込生産になるのは、当然といえましょう。

顧客は少ないが、バッチ生産もしくは連続生産のいずれも繰り返し性が高い。在庫も設備も多い。

特に需要予測・販売予測がビジネスに大きな影響を与えます。

この予測を大きく外す会社が存在します(笑)。どことは言いませんが

汎用部品は見込生産

化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアの目線で議論しましょう。

設備の中でも汎用部品は、見込生産となります。

これらは基本的に見込生産です。

機電系設計者・プラントエンジニア的には「在庫に期待できる」物品です。

説部部品は基本的に「受注生産」であると認識しています。

設備が急に壊れても、納期が掛かるから間に合わない

というのが一般論。

だからこそ「在庫に期待できる」資材は大助かり。

もしかしたら在庫があって、即納できるかもしれない。

こういう綱渡りをしたことは、設備エンジニアなら一度や二度ではないでしょう。

受注生産型

受注生産は、下記のいくつかの要因を含みます。

  • 顧客の注文に応じて生産
  • 都度設計するため繰り返し性は低い
  • ロットは小さい
  • 在庫を持たない
  • 汎用設備を使う
  • 納期管理・生産資源の管理が大事

化学工場の機械設備

これらの要素は、化学工場の設備ほぼ全てが該当します。

基本的に受注生産です。

典型例がタンク

JIS B 8265などで基本的な作り方は規定されていますが、詳細部分は個別設計となります。

仕様書やデータシートでは規定できず、図面を起こして、受注者と発注者が確認する

まさに一品設計。

この世界では設計者の仕事が非常に大きなウェイトを占めます。

最近は、この業界の設計者の能力不足で納期が長期化している傾向です。

もっと簡単に言うと、「図面をまともに書けない」

かなり低いレベルになっています。

熱交換器もタンクに近いですが、自由度はやや低めです。

ポンプなどは型式指定していることが普通で、個別設計はもはや望めませんが

見込生産をしているわけではないので、受注生産に該当します。

工事現場

建設工事も受注生産そのものです。

工事範囲は毎回変わる。

その工事範囲の確定のために、膨大な時間を掛けて配管図を作成し、配管資材をくみ上げていく。

この辺が、受注生産たる所以です。

工作機械は汎用機械ですけどね。

工事現場では特に人の手配が大事。

納期管理のために、1年先くらいの計画を立てますが、正しく機能しないことも多いです。

ユーザー側が納期をずらしたりする依頼を平気で行うからですね。

工事図面作成

工事現場が受注生産なら、工事図面作成も受注生産です。

  • 配管図は毎回変わる
  • CADと紙という汎用機械を使う
  • 在庫はない

工事現場と同じく人の手配が大事です。

保全は受注生産と見込生産の中間

保全は受注生産と見込生産という区分け上は非常に難しいです。

  • 生産部の注文にのみ従うという意味で受注生産
  • 設備の修理・保全という意味では繰り返し性が高く、見込生産
  • 設備が壊れた時のために予備品を持つため、見込生産
  • 汎用機械を使うため、受注生産
  • 納期管理も需要予測もしない。

かなり微妙な位置づけです。

プロジェクトは受注生産

化学工場の中心である生産部分は見込生産ですが、化学工場の今後を左右するプロジェクトは受注生産です。

プロジェクトを理解しておらず生産だけに特化した人は、受注生産に対する理解が少ないです。

これくらいの変更はすぐに対応できるだろう

こんな発想で、追加変更の指示をどんどん出してきます。

逆にプロジェクトばかりをしてきた人が、生産や保全に携わると対応が難しいという面もあります。

プロセス屋なら、プロセス設計という受注生産と生産管理という見込生産を受け持つ可能性があり

設備屋なら、機械設計という受注生産と機械保全という受注生産と見込生産を受け持つ可能性があります。

プロセス屋も設備屋も、2つの生産形態に対応した仕事ができるので、バランス感覚を養うことができます。

逆にこの意識がないと、化学工場で仕事をするには困ることが多いでしょう。

最後に

「生産形態が1つではない」というところから、見えてくる部分は意外と多いです。

自分の身の回りの形態が全てではない、という感覚が大事です。

大手会社が子会社に責任を押し付けるというのは、大手会社がこの辺の形態の認識不足をしていることが、一員にあると思っています。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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