【せっけん水・増締め・閉止板】配管気密試験の方法とチェックポイント

配管工事

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、バッチ系化学工場の配管気密試験について知ることができます。 

配管気密試験は工事品質検査

化学工場での工事の50%以上は配管工事です。

70~80%に上ることもあるでしょう。

配管気密試験は、その配管工事の検査です。

配管工事が化学工場のほぼ全てなので、

配管気密試験は、化学工場の工事検査の中でも非常に重要な試験です。

工事品質を確保するために、最も重要な検査です。

この検査で失敗すると、運転時に液が漏れて大事故につながります。

とはいえ、普通はプロセスの運転を行う前に、水を通すので、だいたいは気が付くのですが…。

水を通さないラインや真空系のラインでは、実運転になって初めて使う場所があるので要注意。

今回は、配管気密試験の流れをユーザー目線で記載します。

配管気密試験の流れ

① テストフロー作成

配管気密試験を行う場所を、テストフローとして製作します。

P&IDには普通は配管改造箇所が着色されています。

これを活用して、テストフローを作成します。

  • 気密試験を行うラインを着色、採番
  • 閉止板を取り付けるラインを明示
  • バルブの開閉する箇所を明示
  • エアーと吹き込む場所を明示

各検査ラインをリスト化します。

  • 検査ライン
  • 試験圧力
  • 試験日
  • 検査者

これらを現場で確認するためのリストです。

P&IDは大量の紙が必要なので、現場で1つ1つ見ていくのは面倒です。

この早見表・目次の扱いです。

② 資材準備

資器材の準備をします。

コンプレッサーは圧縮エアーを供給するために必要。

工場によっては、工場内エアーを使わせる場合もあります。

圧縮エアーはガソリンを使うので、ガソリンが切れたら給油しないといけず、

その作業も面倒ですので。

閉止板はバルブの内通が起こりそうな場所や、配管改造範囲だけを試験するために使います。

既存の配管の一部を改造したときに、既存のフランジ部に付けます。

工事会社が工事した箇所と、元からあった箇所とを明確に区別して、

工事会社の責任範囲を明確に検査するために使います。

圧力計は気密圧力が適正にあることを管理するために使います。

普通は2個の圧力計を使います。

1個ならその値が、合っているか間違っているか分かりませんので。

と言いつつ、2個でもずれていたらどちらが正しいか分かりにくいのですが ^ ^

③ 昇圧テスト

昇圧テストは、工事会社が行う試験です。

事前試験とも言います。

普通はここで100%になるまで検査します。

工事現場で工事後半になるとたまに「ピーッ」って音が鳴ります。

これはエアーが漏れている音。

その場所を特定するために、せっけん水を使って各フランジを見ていきます。

高い位置にあるフランジも、足場や周囲の配管をよじ登って、検査します。

これができるのは工事会社の中堅~若手

年寄になると動きが遅くなり難しいです。

ユーザー側の作業員も難しいです。

④ 客先立ち合い

昇圧テストが終わったら、客先が立ち会って検査します。

これは、結構適当です。

ユーザー側として私も立ち会うことがありますが、あまり真剣に見ていません。

真剣に見ているフリをしています。

  • 圧力計がちゃんと付いているかどうか
  • 圧力計がちゃんと指示しているかどうか
  • 閉止板がちゃんと取りついているか
  • バルブの開閉が正しいかどうか

完全に見ているフリです。

消防検査で消防検査官に見てもらうのと同じノリです。

消防検査官も絶対に真剣に見ていません。

見ているフリをしているだけです。

⑤ 閉止板取外し

検査が終わると、閉止板の取り外しを行います。

閉止板の取り外しは化学工場の運転上きわめて重要です。

閉止板が1つでも取り忘れていると、大事故につながります。

閉止板の挿入・取り外し確認は、一元管理すべきです。

ユーザー生産部・工事会社それぞれが単独に管理するものではありません。

閉止板取り外しによるトラブルは、数多くあります。

単純な装置だからこそ、間違いが起こりやすく

現場で確実に管理しないといけない問題です。

そのためには、以下のような管理表が必要です。

  • 閉止板の口径ごとに採番
  • P&IDに挿入した閉止板の番号を記載。
  • 閉止板の挿入リストを作成。
  • 挿入者・挿入日を記載
  • 同様に取り外しも記載。

⑥ 増締め

閉止板やエアー供給口はそれを取り外した後に、増締めをしないといけません。

ボルトが緩んでいる可能性が高いからです。

閉止板やエアー供給口以外の部分は気密試験が確認できますが、

試験が終わって気が緩んでいる所に落とし穴が。

ボルトの締め付けが緩くて、運転時に漏れる恐れがあり、

閉止板を取り外した後に、増締め確認をユーザーが立ち会う工場もあります。

漏れの特定が困難

配管気密試験で漏れると「ピーッ」という音が鳴ります。

この時の漏れの特定は結構難しいです。

  • フランジごとにせっけん水を掛けて回り、
  • 場所を特定した後に増し締めを実施。
  • 場合によっては、ガスケットを再交換

これを繰り返して、気密試験を完成させます。

化学工場では高所や狭い場所が多いので、1本の配管でもすべてのフランジにアクセスするのは非常に大変です。

まさに力仕事

最後に

配管気密試験は、機電系設計者・プラントエンジニアが立ち会う機会は多くはありません。

機械設備そのもの気密検査は立ち会うことが多いでしょう。

基本的な方法は同じですが、配管ならではの難しさがあります。

見る機会があればぜひ見に行ってください。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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