【基本】バッチ系化学工場の配管摩擦損失計算はかんたん【圧力損失】

ポンプ化学工学

NEONEEETです。

圧力損失の計算って流体力学を使っていてアカデミックですよね。

少なくともバッチ系化学工場ではそうでもありませんよ。

どういう意味ですか?

もっと雑ということですよ。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、バッチ系化学工場の配管摩擦損失計算の実際を知ることができます。

圧力損失は化学工場で最も使う流体力学の分野

圧力損失は、化学工場で最も使う流体力学の分野です。

流体力学というのは、機械系の大学を卒業した人なら誰でも知っています。

四力と呼びますね。

材料力学・熱力学・流体力学・機械工学の4つは機械系学生の基本分野です。

これをマスターしていないと、機械系学部を卒業したとは言えません。

流体力学の中にもいろいろな分野がありますが、圧力損失はこの分野の1つです。

圧力損失は化学工場でも非常に重要な概念です。

ここは、機電系設計者・プラントエンジニアが得意とする分野ですね。

特に、配管に掛かる圧力損失を配管摩擦損失といい、この計算を行うことが多いです。

バッチ系化学工場の配管摩擦損失計算

それでは、バッチ系化学工場の配管摩擦損失計算の実際を見ていきましょう。

配管摩擦損失の計算式

ΔP = 4f * (1/2 * ρ * v2 ) * (L / D)

これは表記方法は教科書によって様々ですが、考え方は当然同じです。

配管摩擦損失は運動エネルギーに比例

圧力損失は運動エネルギーに比例します。

運動エネルギーは流体力学の場合は、

(1/2 * ρ * v2 )

で定義されます。

圧力損失とは、摩擦損失そのものです。

摩擦損失速度の2乗で定義するのが普通。

速度の絶対値で定義する分野もありますが…。

密度が高い方が、摩擦損失が高いことも体感的に理解できるでしょう。

水と空気ではどちらが圧力損失が大きいか。水ですよね。

それらをまとめて、圧力損失は運動エネルギーに比例すると考えます。

下の図で、同じ配管を流れる物体の、速度が速い下段の方が圧力損失が高いということになります。

配管ルートに比例

圧力損失は配管ルートに比例します。

配管ルートといってもここでは簡易的な表現を使います。

L / D

Lが配管長さで、Dが配管直径です。

配管が長く・細いほど抵抗が大きいです。

配管長さLが長いほど、抵抗が大きく

配管直径が細い方が、抵抗が大きいです。

これも直感的に理解しやすいですよね。

配管形状という場合、エルボ・チーズ・レデューサなどのフィッティングを考えないといけません。

フィッティングに掛かる摩擦損失を、配管の長さ〇m分の摩擦損失に置き換えます。

これを相当長さといいます。

配管が複雑であるほどLが大きいという意味ですね。

イメージ的には下の図を確認してください。

エルボなどの曲がりを、真っ直ぐな配管に置き換えるイメージです。

配管の粗さに比例

配管摩擦損失は配管の表面粗さに比例します。

目に見えにくい部分なので、意識しにくいですけどね。

土の地面と氷の地面をイメージすると分かりやすいでしょう。

配管内でも、鉄・ステンレス・PTFEライニング配管で粗さは異なります。

バッチ系化学工場の配管摩擦損失計算

さて、ようやく本題のバッチ系化学工場の配管摩擦損失計算の実際を紹介しましょう。

実際は相当雑に行います。

だいたい以下のとおりです。

ポンプ5~10m
ブロアー類似プラントから決定
真空ポンプ同じプラントの類似設備から決定

ほとんどこの思想でOKです。

ここで言いたいのは、「学術的な計算式を使う必要が無い」ということ。

初学者向けや精密計算をするときには、真面目な計算を行います。

その計算にだけ目を向けていれば良いわけではありません。

もっと重要なことが

汎用性

運転管理者・保全担当者を経験すると嫌でも身に付きます。

真面目に計算した結果、予備品を共通化できないことがどれだけ現場を困らせるか。

ここに気が付いたら、設備設計の方法は変わります。

  1. 類似設備の情報を集める
  2. 設置予定の設備の運転条件・レイアウト・フローを眺める
  3. 設置予定の設備のスペックを決める

これでOKです。

計算しません(笑)

プラント内の設備の思想統一という意味での計算はしますけどね ^^

流量と配管口径の関係を決める

さて、なぜこのように計算を単純化できるのでしょうか?

それは口径を先に決定するからです。

配管摩擦損失の計算は以下の流れで行います。

流量 → 計算 → 口径

つまり、配管口径選定のために計算をします。

使用流量に対して口径の関係基準をあらかじめ決めておけば、計算する必要がありません。

使用流量と口径の関係基準は、標準流速に対して配管摩擦損失の計算をして決めます。

標準流速が1~2m/sとなるように配管口径を決める

この思想で統一して計算すれば

流量 → 口径

と計算を飛ばすことが可能です!

ブロアーや真空ポンプも発想は同じですが、サンプル数が少ないのが問題です。

1つ1つ真面目に計算する会社もあるでしょう。

最後に

バッチ系化学工場での配管摩擦損失の実際を紹介しました。

特に頻度が高いポンプは、5~10mでOKです。

標準流速という考えに立てば、流量が分かれば口径を自動的に決めることができあンス。

この記事が記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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