高温・振動。化学工場で配管伸縮継手が必要になるのはどんな場合?

配管配管

NEONEEETです。 

タコベンド付けましょう

どこに付けたらいいのですか?

この記事では、化学工場で配管伸縮継手が必要になる場合を説明します。

化学工場で配管伸縮継手が必要になる場合

化学工場でたまに見かける配管伸縮継手。

特にタコベンドのイメージが強いでしょうか。

タコベンドが必要かどうか、ベローズが必要かどうか

どうやって判断すればいいか分からないエンジニアも多いと思います。

今回はケースごとに配管伸縮継手を使う場面を解説します。

高温で長距離の配管

配管伸縮継手で有名なタコベンド。

配管ラック上にある多くの配管のうち、一部の配管だけが急に変な形をしていることに気が付く人もいるでしょう。

この中には何が通っているでしょうか?

実は高温の流体が流れています。

具体的にはスチームです。

簡単な計算例を見てみましょう。

配管中に130℃(常温より100℃高い)スチームを流したときに、配管の両端が完全に拘束されていた場合を考えます。

急に100℃の温度差が発生して、配管は伸びようとします。

ところが配管の両端が拘束されていると、配管は伸びることができません。

拘束されている部分から強制的に縮める力を受けてしまいます。

これを熱応力と呼びます。

熱膨張率と体積圧縮率の関係から計算できます。

配管が100℃温度上昇したときの膨張率

鉄の熱膨張率が12×10-6(1/℃)なので、

12×10-6×100 = 12×10-4 (-)

という結果がでます。これは無次元でひずみと同じ単位です。

このひずみを物理的な力で無理やり圧縮させる場合を考えます。

鉄の体積圧縮率が0.5×10-11 (1/Pa)であるため、

(12×10-4)/(0.5×10-11) = 24×107 = 2.4×108 (Pa)

という圧縮力が配管には必要です。

これってどれくらいの大きさでしょうか。

SS400の引張強さが400(N/mm2)なので、これをPa単位に直すと

400 (N/mm2)=4×108 (Pa)

2.4×108 ≒ 4×108ですね。

これは100℃の温度差が付いた場合に発生する熱応力は、配管の引張強さとほぼ等しいことを意味します。

この結果をまとめると、以下の知見が得られそうです。

配管伸縮継手はタコベンドが有名ですが、これは長距離の配管だから。

上の式では配管の距離については触れていません。

配管伸縮継手はタコベンド以外にエルボなどでも代用できますが、長距離の真っ直ぐな配管ではエルボを付けませんよね。忘れがち。

だからこそ、忘れないようにするために明確なシンボルとしてタコベンドを付けます。

プラントの内部配管でも同じような100℃以上の温度差が付く場合がありますが、そこにはタコベンドは付けません。

これはプラントの内部配管では、エルボなどがちゃんと付いているからです。伸縮継手の代わりです。

  • 100℃の温度差が付く場合は、配管を拘束しない工夫が必要
  • 100℃以下の温度差の場合は、配管伸縮継手は深く考慮しなくていい
  • 配管伸縮継手はタコベンドに限らずエルボでもいい

高振動機器

温度の問題が関係なく、振動機器には伸縮継手を付けます。

一般にはフレキシブルチューブやベローズなどです。

当たり前ですよね。

一部の振動機器は設備内に導入する配管は必要だが、導入をして運転をするときには配管を切り離さないといけない場合があります。

ヘルール継手で繋がっている部分はその確率が高いです。

こういう場合は伸縮継手を付ける必要はありませんが、そもそも配管を付けたり外したりするためにフレキシブルチューブが必要です。

有機溶媒による暴露などを防止するためにも、配管を外して使うタイプの振動機器はニーズがどんどん減ってくると予想しています。

振動機器にポンプを含める人もいるかもしれませんが、今回は含めていません。

ポンプは次の項目で触れます。

ライニング系配管と繋がる動機器

振動機器と近い意味ですが、動機器にも配管伸縮継手が必要な場合があります。

動機器としてはポンプが有名ですよね。

ポンプの吸込口・吐出口に配管伸縮継手としてベローズを付けることは多いでしょう。

ベローズは面間が小さいから使い勝手がいいですよね。

鉄やステンレスのポンプでもベローズを付けるのが無難ですが、皆さんの会社では付けていますか?

私の職場ではライニング系配管と繋がる動機器だけに限定されています。

ガラスライニングやフッ素樹脂ライニングの配管は、振動に弱いです。

ガラスは分かりやすいですよね。

フッ素樹脂は振動に弱くなさそうな気もしますが、余計な力を加えた場合には予想できない影響がでる可能性があります。

高温で使うライニング系の静機器

高温で使うライニング系の静機器も配管伸縮継手が必要です。

具体的にはガラスライニングやカーボンなどの熱交換器

プラント内部でスチームを除いて100℃以上の温度差が付く部分の1つ。

温度膨張によって発生した力はガラスやカーボンでは耐えることができません。

ベローズなどの伸縮継手で熱交換器を守るという考えですね。

最後に

化学工場で配管伸縮継手が必要になる場合を解説しました。

高温で長距離の配管・高振動機器・ライニング系配管と繋がる動機器・高温で使うライニング系の静機器

温度ばかりが着目されがちですが、そもそも振動が発生する動機器も伸縮継手が必要です。

配管伸縮継手の機能を正しく理解したいものです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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