マグネットポンプの絶妙な圧力バランス【不思議】

ポンプ化学機械

NEONEEETです。

マグネットポンプってなぜ空運転が問題なのですか?

それを知るためには、ポンプに掛かる力を調べると良いでしょう。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています

この記事を読むと、マグネットポンプに掛かる力を知ることができます。

横型ポンプに掛かる力

まずは横型ポンプに掛かる力を見ていきましょう。

ポンプの基本事項です。

圧力 ∝ 回転半径

物理現象のおさらいです。

圧力 ∝ 回転半径

という関係があります。

ポンプに関する力学的な保存則として、角運動量の保存則があります。

$$ 流体の角運動量 = ρrv $$

これはポンプのインペラ吐出部分の話。

インペラ内部では半径rに比例して角運動量が変わります。

速度vは半径rと回転速度ωに比例します。

$$v=rω$$

この関係から、

$$ 流体の角運動量 = ρrv = ρr^2ω$$

という関係が得られます。

同じ流体でρが一定、同じ回転数でωが一定の時、

インペラ内部の角運動量はインペラの半径の2乗に比例します。

インペラに掛かる力

インペラに掛かる力は下記の合計です。

吸込側圧力 + インペラ内部の力 + 吐出側圧力

インペラ内部の力は上記の角運動量に関係します。

この力はインペラに掛かる力としてはあまり関係がありません。

内部で掛かる力なので相殺します。

吐出側圧力は高い圧力で回転半径に若干依存します。

下の図のとおりです。

インペラ先端の回転半径が大きい部分が吐出圧力が最も大きく、

回転半径が小さくなるにつれて、吐出圧力も下がっていきます。

これは角運動量と同じインペラ半径rの2乗に比例すると誤解しがちですが、そうではありません。

単にポンプ内の圧力損失の問題。

吸込側圧力は回転半径に依存せず低い値です。

ポンプの吐出側に比べれば当然低いです。

ベアリングの役割

ベアリングの役割を力という点から見ていきましょう。

ベアリングはインペラに掛かる力を相殺するように、インペラを支える役割があります。

インペラに掛かる力はスラスト力のみを考えます。軸力ですね。

イメージとして下図のように考えます。

インペラに掛かる力は吸込側に向かった力です。

この力は上記のインペラに掛かる力を合計したものです。

インペラは流体の力を受けて、吸込み側に動こうとします。

これを支えるのがベアリング。

ベアリングはインペラを支えるように、インペラに力を加えます。

ここまでは横型ポンプに掛かる力として一般的です。

マグネットポンプに掛かる力

マグネットポンプに掛かる力を見てみましょう。

横型ポンプとしては同じなので、多少の応用です。

マグネットがベアリングの代わり

マグネットポンプではマグネットがベアリングの役割をします。

つまり、マグネットがインペラに磁力を加えるときに、インペラを支えるように作用します。

ここで、インペラはケーシングに接触しないで絶妙なバランスを保ちます。

液体が無いと…

マグネットポンプは動いている間は、絶妙なバランスを保つことで、ケーシングと接触しません。

流体から掛かる力 = マグネットから受ける力

のバランスです。

空運転を行うと、流体から受ける力が無くなります。

下図のようになります。

空運転を行うと、マグネットポンプの力を受けてインペラは吸込側と反対の方向に動きます。

この力は大きいです。

この力を受けてインペラはケーシングに衝突します。そして設備破損へ。

これが空運転の怖いところ。

最後に

マグネットポンプに掛かる力を解説しました。

流体からインペラが受ける力、マグネットからインペラが掛かる力

このバランスが崩れる空運転が、マグネットポンプの怖いところです。

この記事が記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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