【消防法・石災法】バッチ系化学工場で特に使うレイアウトの規制集

工場法律

NEONEEETです。

設備レイアウトを考えるときに必要な規制は・・・

とりあえず消防法と石災法です。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、バッチ系化学工場で特に使うレイアウトの規制について知ることができます。

バッチ系化学工場で特に使うレイアウトの規制集

バッチ系化学工場で特に使うレイアウトの規制について解説します。

レイアウト問題は工場全体の話題になりますので、1人のエンジニアだけで決定できる問題ではありません。

工場の思想が色濃く反映されますが、法規制の方が当然優先されます。

工場の思想を主張する人に法規制の概要を知っている人は意外と少なく、法規制を理解しておくことはエンジニアの存在価値の1つとなりえます。

化学工場のレイアウト規制については以下の4つが大事といわれます。

  • 消防法
  • 石災法
  • 高圧ガス保安法
  • 圧力容器構造規格

この中でもバッチプラントでは消防法と石災法を頻繁に使います。

私も15年以上の仕事でこの2つしか携わっていません。

工場内には多少なりとも高圧ガスや第一種圧力容器があるにも関わらず、です。

消防法と石災法を使いこなせるレベルにあるだけでも、エンジニアとして一目置かれますよ。

消防法

消防法でレイアウトに関する規制はいくつか存在します。

製造所等の保有空地5m

製造所等には周囲に空地を設けないといけません。

これを保有空地といいます。

危険物の取扱数量によりますが、基本は5mです。

指定数量10倍以下なら3mですが、そんな製造所等は普通はありえませんからね。

いわゆるプラントの周囲5mには物を置いてはいけません。

消火活動の妨げになるからです。

例外的に製造所等以外と連絡するための配管やスタンドは許容されます。

これとは別に「保安距離」というものもあります。

こちらは化学工場なら普通は気にすることがない規制です。

住宅・学校・病院・映画館・福祉施設・重要文化財などの、プラントで火災があったときに守るべき人・物との間に距離を置き安全性を確保しようという狙いですね。

高圧ガス施設との距離20mはたまに話題になるでしょう。

バッチプラントでも高圧ガスを取り扱う場合があり、高圧ガス施設を危険物製造所の近くに置こうとすると、制約に引っ掛かります。

危険物製造所の新設・増改築や一般防火対象物では、とにかく周囲の危険物製造所と保有空地5mを確保できているか

これは最低限おさえないといけないポイントです。超大事。

保有空地は製造所の敷地面積境界から設定します。

製造所の敷地面積度どこに定めるか、という計算根拠と現地での表示を雑に扱っていると、後々大変なことになります。

屋外タンク

消防法のレイアウト規制でも屋外タンク周りは規制が厳しいです。

危険物製造所よりも規制が多いです。

さて、なぜでしょうか?

消防法に明るい人でも意外と答えられない問題です。

これは取扱数量・貯蔵数量が大きいから。

火災爆発時の影響が製造所よりも屋外タンク貯蔵所の方が危険ということ。

製造所では火災爆発以外の危険性もありますが、火災爆発に限ると数量が相対的に少ないため危険性が低い考えることもできます。

保有空地

製造所等と同じく屋外タンクでも保有空地は大事です。

指定数量によって変わりますが3~15m程度ですね。

指定数量4,000倍を越えると、タンク寸法に依存した保有空地が課せられます。

製造所等では5mが最大でしたが、5m以上の規制を課せられることも普通にあります。

屋外タンク貯蔵所ではタンクを最密に配置したいと思うのが普通なので、

保有空地の縛りはシビアに効いてきます。

保有空地はタンクの側板が基準になります。タンク中心ではありません。見落としがち。

タンク間距離

タンク間距離は保有空地とほぼ同義の扱いです。同じ距離です。

保有空地の場合、屋外タンク・防油堤と関連施設以外の設備も対象に含むので、広くとらえることができます。

タンク間距離は屋外タンクと屋外タンクの間に確保する距離なので、

タンク間距離だけを見ていると、他の設備が保有空地に干渉していたということがありえます。注意です。

タンク防油堤間距離

屋外タンク貯蔵所は屋外タンクの周囲を防油堤で覆います。

これは屋外タンクが破損して漏えいしたときに、危険物が周囲に拡散するのを防止するため。

タンク直径を判定基準に、

タンク高さ×係数

で決まります。

この数値、実は条例で変わりえるもの。一般的には

タンク高さ×1/3

ですが、詳細は所轄官庁の指導に従ってください。

石災法

石災法上は特定通路と分割通路の考え方が大事です。

特定通路

石災法の特定通路に要求される基準では以下の2つが大事

  • 施設地区の面積に応じて6~12m以上の幅
  • 両端が他の幅員6m以上の通路に接続

この規制に従ってレイアウトを決めてしまうと、基本的に変更することはありません。

これから化学工場を新たに建設するチャンスなんてほとんどないでしょうから、意識しなくても済む可能性は高いですね。

今ある道路を削ってプラントを建設しようという無謀な検討をしない限りは。

分割通路4m

石災法上は分割通路4mを確保しないといけません。

これは消防車が侵入できる通路を意図しています。

7,000m2ごとに分割通路4mで囲う必要があります。

特定通路で囲ってもOKです。

とはいえ、この規制って結構厳しいですよね。

7,000m2ですよ。縦70m×横100mでおしまいです。

これ以上のプラントを建てることはできません。

プラント建設費用がある程度絞り込めるのは、石災法の分割通路でプラント1棟のサイズが決まってくるからですね。

青天井ではありません。

最後に

バッチ系化学工場で特に使うレイアウトの規制について紹介しました。

消防法と石災法をまずはおさえましょう。最も大事です。

その後に、プラントの特性に応じて高圧ガスや圧力容器をおさえれば良いと思います。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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