【ポンプ・ファン】インバータ制御とバルブ制御の使い分けとバッチ系化学工場の実際

ポンプ電気設計

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、ポンプやファン等の回転機器の消費電力削減の方法について知ることができます。

結論

バッチ系化学工場では冷却源のポンプや、除害のファンが連続運転であり省エネ対象。

バルブ制御はコストゼロで、揚程の余裕が残るが、一定の省エネは可能。

インバータ制御はコストが発生し、流量も揚程も余裕がないが、バルブ制御より若干の省エネが可能。

はじめに

省エネというテーマで、化学工場内に目を向けた時、消費電力が最も議論になります。

この中で、バッチ系化学工場では、ユーティリティの動力設備がターゲットになります。

24時間365日運転する設備だからです。

消費電力は、時間にそのまま比例します。

ユーティリティの動力を適正にすることで、省エネに結びつきます。

連続運転設備は冷却源と除害

バッチ系化学工場の場合、工場内のほぼすべての設備は、バッチ運転をします。

ほぼ休みなく運転する設備もありますが、起動停止があることは変わりありません。

この状況で、24時間365日連続運転する設備があります。

それがユーティリティと除害です。

ユーティリティは7℃程度の冷水、30℃程度の冷却水、0℃以下のブラインなどの冷却源が一般的です。

水を移送するためのポンプが、24時間連続運転します。

冷凍機や冷却塔も同じく24時間連続運転します。これは本記事のテーマ外。

ボイラーによる蒸気、コンプレッサーによるエアー、PSAなどによる窒素もユーティリティとしてカウントしますが、ここでは考えません。

排ガスの除害設備も連続運転です。

いわゆる集中除外装置というカテゴリー。

有機溶媒や酸・アルカリを含むガスを処理するためには、気体を移送するためにファンが必要です。

これが24時間連続運転します。

バルブ制御

バッチ系化学工場で電気の省エネを考える場合は、連続運転のポンプファンに注目します。

ポンプやファンの省エネは、バルブ制御かインバータ制御のどちらかが一般的。

まずはバルブ制御から紹介します。

動力 = 流量×揚程

ポンプやファンの消費電力は流量×揚程で表現できます。

流量が大きい冷却源のポンプや、除害のファンはその消費電力も非常に大きいです。

30kWクラスの設備を使うと思います。

バルブを絞ると流量は下がり揚程は上がる

バルブ制御をするとは、配管系統についているバルブの開度を絞るということです。

ここで配管系統の摩擦損失をあげて、流量を下げます。

ポンプとしては、供給すべき流量が下がる代わりに、供給可能な揚程が上がります。より高い位置まで供給できます。

揚程は余裕を見ている

ポンプやファンでは運転に必要な流量・揚程よりも、設備が供給可能な流量・揚程は、余裕を見ています。

これが揚程という形で一般に表現できます。

冷却源のポンプで必要流量よりも大きな流量で流すと、ユーザーで発生した熱を冷却源が受け持つときの温度、つまり出口温度が下がる形で観測できます。

除害装置のファンであれば、流量が上がると吸引ガス量が上がりますが、観測は難しいでしょう。

ポンプもファンも、電流値での観測は可能です。

電流値を観測しながら、運転を満足する程度にバルブを絞り、揚程に余裕を持たせる形で運転します。

バルブ制御は、揚程の余裕が残る!

インバータ制御

インバータではポンプやファンの回転速度を下げます。

回転速度の3乗

回転速度が変わると流量が変わります。回転速度の1乗で効きます。

流量が変わると揚程が変わります。回転速度の2乗で効きます。

動力 = 流量×揚程なので、回転速度を変えると動力は3乗で効きます

だからこそ、インバータの方が効果的!

こういうロジックを平気でいう人が多いです。

社内の電気専門家はこういう言い方とすると思います。

彼らは電気のことしか知らず、機械や運転のことは知らないのに、平気でこういう言い方をします。

すごいですよ。

回転速度の調整は極めて慎重に

回転速度の3乗で、消費電力が効くので、回転速度を変えればいいことは確かです。

でも、ここに落とし穴が。

回転速度を変えると揚程が急激に下がるので、

ポンプやファンで適正量を送れないというケースがでてきます。

バルブ制御を行うと、流量が変わるだけで揚程は増える方向なので、調整は容易です。

温度等を監視して流量を決めればいいからです。

ところが、インバータ制御を行うと、流量を下げると揚程も変わるので、調整可能なポイントは非常に限定的です。

インバータ制御はバルブ制御に比べて、数%程度の効果が出れば御の字という感度です。

そのために、インバータの投資というコストを払うかどうかは、会社判断。

インバータ制御は、流量も揚程も余裕がない!

おわりに

インバータ制御が絶対的正義、という言い方をする立場の人がいます。

その狙いをよく考え、システム全体を把握して、導入可否を考えられるエンジニアになりたいですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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