【ロードセル・ポンプ】バッチ化学運転の滴下反応を実現するための設備パターン

ポンプ化学工学

NEONEEETです。

ポンプで小流量送りたいのですけど

まさか・・・滴下するつもり・・・???

この記事では、バッチ化学運転の滴下反応を実現するための設備パターンを解説します。

バッチ化学運転の滴下反応を実現するための設備パターン

バッチ系の化学反応を行う時に、滴下の概念は基本中の基本です。

難しいことは考えずに、「反応熱が高いから一気に反応できない」という理解だけでOKです。

A + B → C + D

という反応を行う時に、AとBという物質をどうやって接触させるかが課題の1つになります。

バッチ反応では複数の反応装置を組み立てます。

反応装置の構造は変えることができず、その周囲の設備構成を変えることでいくつかのパターンが発生します。

ロードセルで自然落下

滴下の大原則は、ロードセルで自然落下です。

ちょっと言葉を省略している気がしますが、日常的にこの表現を使っています。

正確には以下のような表現ですよね。

ロードセルを付けたタンクから自然落下で反応物を滴下する

反応器より高い階にタンクを設置して、そのタンクにはロードセルを取り付けます。

ロードセルは重量という極めて分かりやすい物理量で管理できる点が好まれ、信頼感が非常に高い「量」の管理方法です。

液面計より精度が高く、流量計の積算値よりも重量計の値の方が信頼感があります。

液面計は撹拌やポンプ循環による液の揺動の影響を受けたり、温度の影響を受けます。

流量計は積算をする段階で誤差が積み上がっていき、コリオリ式流量計以外は実液の密度が変わっても密度一定で計算するので誤差が出ます。

当然、液面計や流量計があるとないとでは信頼感は全然違うので、液面計や流量計は非常に大事な計器ですけどね^^

それよりはるかに重量計の方が信頼感が高い、という解釈でOKです。

自然流下が滴下で大事なのは、小さい流量で制御できるから。

同じ配管口径でも、ポンプで液を送る時に比べて、自然流下の場合は1/5くらいの流速でしか安定して流せません。

10L/min程度の低い流量で送ることもある滴下反応では、25Aでも対応できる自然落下は非常に有効な手段です。

オリフィスを付けることで自由度も増します。

ポンプ1台で1液を一定量送液

滴下反応のための設備は自然落下が基本ですが、ポンプで送るケースもまれにあります。

これは流量をチェックしないといけません。

100L/minのポンプで10L/minを送りたい

なんて要望が普通に出てきます。

ここでピンッ!ってきたあなたは、機電系エンジニアとしてのスキルが高いです。

100L/minのポンプのミニマムフローが10 L/min以下というケースは少ないですからね。

ミニマムフローという概念を知っているだけで、10L/minは慎重な設計が必要であることに気が付きます。

逆に、気が付かないと後で大変な目に会います。

ポンプで物を送る場合、脈動が絶対に起こるので均一な流量で送ることに本来向いていません。

流量計と調整弁を使ってPID制御をかけることになりますが、ロードセルで自然落下のケースよりも調整弁に負荷をかけます。

運転をしていく中で、ポンプが劣化していって流量が落ちるトラブルも考えられます。

できなくはないけど、長期的な視点に立てばいいことはない。

それがポンプでの滴下だと思います。

ポンプ2台で2液を並行送液

ポンプ2台で2液を同時に並行して送る場合です。

これはレアケース。

難易度が相当高いと思って取り組むべきことです。

上の2つの例はAが反応器に先に入っていて、液Bをゆっくり滴下する場合でした。

今回の例はAも液Bも同時に送る場合。

「反応速度が速い」という前提が付いていることが多いです。

AとBのバランスがちゃんと取れていないと、安定した反応や講収率が得られないという場合はあります。

この場合には、AとBの流量を比例制御したりカスケード制御したりする場合もありますが、単独で流量制御することもあります。

いずれにしろ、かなり高い精度が要求されるので、本来はロードセルで自然落下を使うべきです。

これをポンプで行おうとするのは、かなり危ないです。

ポンプで2液を送る場合は、ポンプ流量・配管口径・流量計の選定を基本的な部分から真面目に設計する方が良いです。

他の一般的なポンプのように、計算をしなかったり雑な仮定を置かない方が良いです。

こんなケースは1つのプラントで数個くらいしかないので、それくらいは真面目に計算したいですね。

最後に

バッチ化学運転の滴下反応を実現するための設備パターンを解説しました。

ロードセルで自然落下・ポンプ1台で1液を一定量送液・ポンプ2台で2液を並行送液

いずれも「滴下」という反応のための手段ですが、「滴下」を意識せずにプラント設計をする人が多いので、注意したい点です。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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