【機械・電気・計装・土建】化学工場のエンジニアリング業務を縦割にすることの弊害

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これは機械屋さんの仕事

これは電気屋さんの仕事

この記事では、化学工場のエンジニアリング業務を縦割にすることの弊害を説明します。

化学工場のエンジニアリング業務を縦割にすることの弊害

化学工場では一般に機械・電気・計装・土建というような分業制を取っています。

それぞれ専門性があったり、工場の規模や設備の構成などの背景があったりして、役割を分割しています。

この組織編成はいったん作ってしまうと簡単に見直せるものではありません。

だからこそ、その組織にいる人は現状が最適な編成だと思い込んでしまいます。

化学工場のユーザーエンジニアリングレベルで縦割り組織にしていることの弊害を私なりに考えましたので紹介します。

設備の全容が分からない

縦割り組織のエンジニアだと、その設備の全容がなかなか分かりません。

あえて言うと機械エンジニアが最も有利なポジションにありますが、それでも限界はあります。

機械エンジニアから見ると、土建の強度計算は分からない・電気回路やDCSのシーケンスなんて分からない、なんて思いがち。

機械設備を知っているだけで、エンジニアとして必要な知識全体のうち6割以上は把握できるはずなのに、

1/4である2割5分くらいしか理解していないのでは?と自己否定をしがちです。

電気・計装・土建は実態はもっとひどいでしょう。

いずれにしろ、機械・電気・計装・土建のどのエンジニアも自己肯定感を高めることができません。

自己肯定感を高めようとして、機械・電気・計装・土建のローテーションを急に行っても、

学ぶことが多くて挫折して自己肯定感がさらに下がる可能性もあります。

凝り固まった組織文化を変えるためにローテーションをすれば解決する、という安易な問題ではないと考えています。

成長が止まる

縦割り組織のエンジニアだと、成長がどこかで止まります。

機械・電気・計装・土建どの分野でも10年もすればほぼ一人前になります。

10年でマスターしてしまうと、そこから先は得る物が少なくなります。

本人の能力を上げるという意味でも、縦割りは弊害となります。

仕事自体が面白くなくなります。私も今はこの段階。

電気・計装・土建以外に化学工学や化学の知識も少しずつ蓄えていったり、自分の手を使って業務をしたりと業務スパンを増やさないと飽きてきます。

なお、10年で1つの業務をマスターできそうでないなら、化学工場のエンジニアとしては大成しないと思った方が良いでしょう。

最近はプロジェクトの量・質の問題や本来業務外の仕事があったりして、1つの分野をマスターするために必要な時間が延びていっている方向ですが。

人間が社会で通用するために学習にかける時間と社会でその力を発揮する時間のバランスがどんどん崩れていきますよね。

学びながら仕事をするという視点で、院卒ではなく学部卒を多く採用して縦割りを緩和する方向に動かす方が良いでしょう。

人を減らせない

縦割り組織のエンジニアだと、エンジニアの人数を削減することができません。

組織が増えることで余剰人員が必ず発生します。

限られた人をどこに投入するかというときに、本当は余っているけど分割した組織のどこかに配属されていて見えていない戦力に気が付かなくなります。

会社としては悩むところでしょう。

自工場の特徴が分からない

縦割り組織のエンジニアだと、自工場の特徴が分からないまま時が過ぎていきます。

あなたの工場の特徴は何ですか?

これをあなたの工場を知らない人に対して説明して理解してもらうのは結構難しいこと。

バッチプラントのことを連続プラントの担当者に伝えても分からないのと同じように、

連続プラントのことをバッチプラントの担当者に伝えても良く分かりません。

これはバッチプラントのことをバッチプラントの担当者自身が良く分かっていないから。

連続プラント側も同じ。

機械・電気・計装・土建という特定の分野については知っているものの、設備全体を知らない以上

工場の特徴なんて実は理解することはできません。

この意味で大企業のエンジニアリングは魅力的なものではありません。

言われたことだけをやる

成長が止まり、設備の専門的な特徴だけは知っていても工場全体のことを知らないエンジニア。

この末路は「言われたことだけをやる」という仕事の仕方に現れます。

これはエンジニアリングだけに限った話ではありません。

研究も同じ思考に陥ります。

学歴では遥かに高いはずの研究者も、工場の議論をしたときには専門的すぎて話にならないというケースはままあります。

工場が欲しい答えや進め方を提示せずに、あくまで学術的。責任回避的な回答。

エンジニアリングの場合はそもそも誰も興味をあまり持っていないので、話を聞いてくれません。

エンジニアが主張しても「お門違い」の内容ばかりだから、

エンジニアの主張には目もくれずに指示を与えてこなしてもらえればいい、という思考を経営層はしがちです。

個人主義に陥る

縦割りが強くなると、個人主義が強くなります。

セクション間での議論も接点業務だけに特化してしまいます。

最低限必要な情報のやり取りだけに終わってしまい、体系的・網羅的な思考を育てる場を無くしてしまいます。

言語化能力も育ちにくく、説明するという機会がどんどんなくなっていきます。

最後に

化学工場のエンジニアリング業務を縦割にすることの弊害を解説しました。

設備の全容が分からない・成長が止まる・人を減らせない・自工場の特徴が分からない

組織の文化を変えるには10年20年必要です。

縦割り組織は見直した方が良いと個人的には思いますが・・・

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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