【何も変えない】事なかれ主義の機電系設計者・プラントエンジニアが行う設計

図面,現場働き方

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアが事なかれで行うとどうなるかを知ることができます。

既存の老朽化更新が多い

化学工場のユーザー側の機電系設計者・プラントエンジニアは、自社工場の設備設計を行います。

その会社で増改築が多ければ、新たなチャレンジができる機会はあります。

既存との調和が求められるので、完全にゼロからというのはほぼ不可能ですが、それでもチャンスはあります。

その会社で増改築が少なく、既存の老朽化更新が多ければ、チャレンジの機会は少ないです。

しかし、老朽化更新レベルでもチャレンジはできます。

この感度が人によって大きく違うようです。

老朽化更新でチャレンジするというのはどういうことか。

チャレンジしなければどういう結末になるか。

ここを解説します。

既存と同じことで起こる問題

問題① 考える訓練ができない

既存の老朽化更新において、既存と全く同じ設備を導入した場合でも、プラントエンジニアとしての成果は認められます。

成果は、設備を更新するという一点にのみあり、その品質は問われません。

設計品質を評価するためには数年かかるため、1年ごとの評価には考慮できないからです。

ゼロベースで考えない

設備を新たに導入する場合、基本設計をもとにゼロベースでの設計をします。

プロセス運転条件プロセスフローをもとに考えます。

これは設備設計の基本。

ところが、既存の老朽化更新では、ゼロベースの設計は難しいです。

そこに答えがあるから

ほぼ最適な答えがあり、これを覆すためには膨大な労力がかかる割に、結果は既存と同じ。

こういうケースが非常に多いです。

それなら、何も考えずに既存と同じで好いのでは?と思う人は多いでしょう。

これは否定できません。

業務の効率化を考える場合、ある程度はやむを得ません。

既存の設備仕様を決定した理由だけでも調査と評価をして形に残す。

こういう努力は既存の老朽化更新でも可能であり、社内の設備設計の論理構成を学ぶチャンスです。

既存と同じで良いという風潮が出れば。せっかくのチャンスを掴もうとしない流れを生みます。

新技術を調べない

ゼロベースで考えないとほぼ同義です。

どうせ既存と同じだから、新技術を調べなくても良いだろう

こういう風潮が強くなっていきます。

実際に、化学工場の設備は20年以上あらたな要素が付与されていないので、新技術を調べても効果は低いでしょう。

設備メーカーもあきらめている風潮があります。

こうして新技術を調べる努力をしなければ、いざ新技術を調べようとしたときにその評価をすることができなくなります。

これは20年以上の間、機会を奪われているので、どこの会社も似たように新技術導入から遠ざかっていると思います。

問題② 作業性を向上できない

既存と同じなら、設備の配置・配管の配置なども全く同じになります。

これで喜ぶ人はほとんどいません。

唯一、図面屋だけが少し仕事が楽になるという程度。

逆に被害にあう人を紹介しましょう。

生産部の作業性

設備の配置・配管の配置が全く同じなら、生産部の作業性は改善されません。

主に配管の配置が作業性に関係します。

この作業性をいつまで経っても改善されません。

  • 最初に設備を導入したときに、配管の配置も最適化されているわけではありません。
  • 使い始めてから、生産部のプラントオペレータは不満に思っていても、すぐには改善できません。
  • 数年経てば、プラントオペレータは否が応でも慣れざるを得ません。

そうしている間に、人が異動していきます。

新たに担当した人が、既存の老朽化設備を更新するとき、上記のような背景に気が付かず

今の設備が最適化されている。だからそのまま更新すればいい。

というロジックが生まれます。

工事の作業性

生産部の作業性を改善しにくいのは、実は理由があります。

生産部の管理者は細かい作業まで改善する余裕がない

配管の配置レベルの作業性は、生産部の管理者が把握することはほぼできません。

管理者の業務全般において、時間的にも割く余裕はほとんどありません。

生産部のプラントオペレータは不満があっても声を上げることすらできない。

絶望感に押しつぶされそうになるでしょう。

生産部の作業性はある程度、仕方がないかもしれません。

閉止板の挿入、弁開閉操作、サンプリング…

いろいろな危険な作業がありますが、残念です。

それでも、工事の作業性を上げることは可能です。

反応槽レベルの取り換えなら、多くの配管を取り外すので、取り外し作業に時間がかかります。

ここに、設備設計の余地があります。

配管図を作成するときに、図面屋に配管図の指導をせず、既存と同じにしてしまいがち。

この配管図作成段階で、注意できることはいっぱいあります。

  • 設備を取り外すために最低限の範囲となるように、フランジの位置を決める。
  • 取り外すべき配管を外しても、周囲配管に影響が出ないようにサポートを作る。
  • 足場を設置しなくても、配管が取り外せるようにする。

これは、配管図作成の基本を学ぶチャンスでもあります。

問題③ 会社の共通言語を知ろうとしない

「既存と同じ」

「既存よりも少しでも改良して」

こういう単語を使う時に、ベテランと若手で認識が違うことがあります。

若手は、教育や発表の場で「既存を越える」という単語を好んで使いがちです。

耳障りが良いですからね。

でも、いざ実務をさせてみると「既存と同じ」。

設備の仕様も配管の配置もすべて同じ。

これはベテランからは「既存と同じ」です。

でも若手は、「既存を少しでも超えた」という材料を後になって探します。

設計段階で考えれなかったことを悔やみます。

「既存と同じ」という表現が、若手とベテランで違うという事実を認識した後に、

社内で共通言語として使っている表現が、実は意味が違うかもしれない。

ここに気が付いて、共通言語の意味を知る努力をすることも、事なかれ主義の設計では実現できません。

最後に

事なかれ主義の日本。

設備設計においても、事なかれ主義。

責任を取らないようにした素晴らしい仕組み。

これで一定の給料が貰える日本は幸せですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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