【反応装置・熱交換器・槽】バッチ系化学工場の蒸留装置の構成

工場化学工学

NEONEEETです。

この記事は、化学工場を知りたいと思っている人を対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の基本構成を知ることができます。

蒸留装置の基本

蒸留とは何でしょうか?

複数の液体が混ざった液体から、特定の液体を取り除く

こういう表現が可能です。

沸点差を利用して、目的成分を分離する。

というのが化学的な表現でしょう。

機械屋としては装置から入る方が分かりやすいので、実験装置の例を紹介します。

左がバッチ、右が連続です。

左は単蒸留とも言われます。

原液には2つの液体が含まれていて、沸点の違いによって低沸点物と高沸点物に分けれます。

原液に熱を加えて、発生した蒸気を冷やすだけ。

冷やされた液体は、原液に比べて、低沸点物の割合が多いです。

残った原液は、高沸点物の割合が多いです。

これが蒸留の基本。

バッチと連続の違いは、原料が連続的に入っているかどうかです。

  • 原料がバッチ的に入っていれば、ビーカーに液体を入れて、処理が終わったとに、液体を取り出します。
  • 原料が連続的に入っていれば、溢れないように連続的に取り出さないといけません。

液の動かし方に応じて、装置の構成も変わります。

  • 装置的にはバッチの方が大型です。交換頻度を削減するために、大型の容器に液を入れます。
  • 連続では入った液体をすぐに取り出せばいいので、容器の大きさは必要ありませんが、装置の数は増えます。

バッチ系化学工場の蒸留装置の構成

バッチ系化学工場の蒸留装置の構成要素を紹介しましょう。

装置の構成は以下のようなものです。

反応槽

加熱を行う加熱器は、反応槽と全く同じ構造です。

マルチ的な使い方をするバッチ系化学工場ならでは。

ほぼすべての操作を同じ反応槽でできるように、反応処方を決定します。

熱交

加熱して発生した蒸気を冷やすための熱交換器が必要です。

一般的には多管式熱交換器を使います。

圧力や温度の汎用性が高いからですね。

熱交換器には冷却水を通します。

留出液を受け入れるためのタンクが必要です。

タンク反応槽の本体部分と考えればK

槽は1基だけでなく、2基以上並列する場合があります。

蒸留の最初の部分である初留を受け入れるタンクと、中間の部分である中留を受け入れるタンクを分割します。

溶媒回収

蒸留というと、複数の液体から特定の液体を取り除く作業です。

バッチ系化学工場では若干ニュアンスが違います。

よくある使い方は溶媒回収です。

10m3の溶媒Aに1トンの固形分が溶けています。

ここから溶媒Aを6m3取り除きたい。

こういう用途で使います。

上記のケースで、固形分が溶けずに結晶化していれば、ろ過で除去可能です。

ところが、プロセス中では固形分は溶媒に溶けている場合があります。

ここで溶媒から綺麗な、不純物が少ない溶媒だけを取り出すために、蒸留を使います。

今回のケースでは6m3がきれいな溶媒。

7m3蒸留してしまうと、不純物が多くなって、別の用途に使えません。

10-6=4m3を何らかの処理をして、廃棄したり回収したりします。

処理をする量を極小化する方が、コスト的に有利です。

蒸留は簡単に分離できる操作方法の1つ。

最後に

蒸留というと、蒸留塔があってリボイラーや熱交換器があって、温度計や流量計がいくつも並んでいるイメージを持つ人もいるでしょう。

少なくともバッチ系化学工場ではそういう装置はほとんどありません。

塔がないと寂しい感じがします。

バッチ系化学工場を見ると、工場萌えとは違う感覚を抱くと思います。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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