化学工場の設備標準図面に対する考え方【基本と例外】

図面配管

NEONEEETです。

化学工場の設備の図面って何でこんなに多いんですか(泣)

そうですよね。意味不明に多いですよね・・・。

整理するだけでも大変ですよ。

そこで標準図という考えがあるのですが、まぁ、ねぇ…。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の設備標準図について知ることができます。

化学プラントは1つとして同じものはない

化学プラントは、1つとして同じものはありません。

工場の外から何となく眺めてみても、気が付くと思います。

同じように見えても、微妙に違います。

そんな工場が日本にいっぱいあります。

こういう工場を設計するときに、どうやっていると思いますか?

ゼロから一つ一つ設計していると思いますか?

膨大な量です。

省力化が必要です。

そこで出てくるのが、「標準図」

化学プラントでは色々な標準図を作りました。

標準図ができたのは、今から40~50年くらい前の話です。

2020年現在、そういう標準図をブラックボックス的に使っている人だらけです。

今回の記事は、この標準図を使うことのメリット・デメリットを整理します。

化学工場の設備標準図面を作るメリット

化学工場の設備標準図面を使うことのメリットを紹介します。

設計時間の短縮

標準図面を使うと、当然ながら設計時間を省略できます。

  • タンク容量と寸法の関係
  • タンクノズルやマンホール
  • タンクのタラップやステージ
  • 配管のスペック
  • 配管ヘッダーの作り方
  • 配管ラックの構造
  • 機器据付基礎の構造
  • 作業架台の構造

いろいろなものが標準化されています。

これがあると、設計時間を省略できます。

タンクとポンプを1基新たに設置する。

こういうケースを何も標準図が無い状態から考えると、とても大変。

  • タンクの容量は決まっているが、寸法を決めるためにケーススタディしないといけない
  • タンクに付属するステージの大きさを決めれずに、干渉する配管を検討するまでに時間がかかる。
  • ポンプの基礎の大きさを、ポンプが決まってからでないと、設計できない・

いろいろな問題があります。

一言でいうと

コンカレントエンジニアリングの障害となる

と言えます。

標準図があれば、メインの仕様さえ決めると、パッケージ化された周辺設計を進めることが可能です。

設計時間が75%削減。

こういう効果が、標準図には存在します。

75%というのは、標準図がないと8カ月かかっていたものが、2か月で設計が終わるという意味です。

コストの削減

標準図を使うとコストも削減できます。

  • 最小コストで設計できずに過剰設計してしまう
  • 一度設計しても、後で不具合ができてやり直しする
  • そもそも必要な設備をカウントしていない

こういった問題が、標準図を作ることで回避できます。

特に過剰設計の問題が大きいでしょう。

標準図がないと、以下のような感じになります。

A「ポンプの基礎はどれくらいの大きさにしたらいいですか?」

B「ポンプの大きさは?」

A「まだ決まっていません」

B「時間が無いから、大目に見積もって1.0m×1.0mの基礎にしよう!」

標準図が決まっていると、

B「これくらいのポンプなら、0.5m×0.7mの標準図で対応できる!」

と言えるわけです。

1.0m×1.0mが0.5m×0.7mになればコスト削減です。

トラブルの再発防止

標準図を使うと、過去のトラブルが2度と起こらないようにすることができます。

やり直し工事を防ぐ

という言い方もできます。

タンクのステージが思ったより大きくて、周囲に配管を通せなかった。

こういう経験は、標準図がなかったり使わないと起こりえます。

配管設計者にタンクの図面やステージの図面を渡していないと起こる問題です。

  • タンクの図面が決まっていないと、配管設計ができない
  • 無理矢理に配管設計をして、工事をする。
  • ステージと配管が観賞した。
  • だから配管をやり直す。

こういう構図になります。

「ステージがタンクに必要だ」ということすら、タンク制作時に決めていなかった可能性もあります。

タンク制作時にステージの標準図を提示していると、見積にも反映され、製図をして、製作もしてくれます。

標準図があることで、問題を防げます。

化学工場の設備標準図面を作るデメリット

化学工場の設備標準図面を使うことのデメリットはただ1つ。

設計能力が育たないことです。

設計能力が育たない

標準図を使うと、設計能力は育ちません。

ブラックボックス化してしまうからです。

標準図を作るためには、設計者が設計します。

その設計の考え方を残さずに、標準図という結果だけを残すことが問題。

過去の標準図には、設計の考え方を残すという風潮はありませんでした。

JIS等の基準も同じ発想です。

プログラムではコメントを残すことで思想をある程度残せますが、紙の標準図では残せません。

プログラムのコメントでもしっかり思想を残すことは意外と難しいです。

設計の考え方が残っていないと、

タンクの基礎の大きさを決めるのに、どういう強度計算をすればいいのか?

ということすら分からなくなります。

ここで必要なのは、コンクリートの強度計算やその余裕率の話であり、機械的な強度計算ではありません。

この例で、標準図から逸脱した設計をしようとしたときに、機械的な強度計算に頼っても正解がでません。

設計の考え方が残っていないと、時間がかかります。

設計の考え方として「コンクリートの強度計算」という単語があれば、アプローチを変えることができます。応用ができます

最後に

標準図を作ることで、時間もコストも削減でき、トラブルも防止できます。

ただし、その考え方をしっかり残していないと、応用ができません。

紙の標準図にはそういう考え方が整理できていないことが多いです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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