回転軸の危険速度とポンプ・ブロアーの関係

ポンプ化学機械

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、回転軸の危険速度とポンプやブロアーの関係について知ることができます。

結論

回転軸の危険速度に対して、

固定点間の長さ

が設計ファクターとなります。

ポンプだと固定点を多くとれますが、ブロアーでは難しく、

危険速度が高くなる方向です。

はじめに

振動理論における回転軸の危険速度について紹介します。

それをポンプやブロアーに適用するとどうなるかについて解説します。

回転軸の危険速度

回転軸の危険角速度は下記で定義されます。

$$ω_s^2=\frac{48EI}{ml^3}$$

ここで\(ω_s\)は危険角速度、\(E\)は材料のヤング率、\(I\)は軸の断面二次モーメント、\(m\)は軸の質量、\(l\)は軸の長さです。

ポンプやブロアーには回転軸に回転羽根が付いています。

この場合の危険角速度は以下の通りです。

$$\frac{1}{ω^2} = \frac{1}{ω_s^2} + \frac{1}{ω_1^2}$$

ここで\(ω_1\^)は軸の質量を無視して、羽根車を軸の先端に付けた時の危険角速度です。

$$ω_1 = \frac{3EI}{m_1l^3}$$

回転軸の危険速度

危険速度の計算は難しい

危険速度の計算は実はかなり難しいです。

\(ω_s\)なら計算は可能。

これは振動理論から数学的に計算されます。

ここに、羽根車という付帯物が加わると、計算式は困難になります。

これを近似式として置き換えたものが

$$ \frac{1}{ω^2}=\frac{1}{ω_s^2}+\frac{1}{ω_1^2}$$

という関係式です。

危険角速度を決める因子は長さ

危険角速度の定義を見ると、設計上変えることのできる要因は限られます。

  • ヤング率\(E\)       選択できる材質は数少なく、差がほどんどない。
  • 質量\(m\)        ポンプのサイズでほぼ決まる。
  • 断面二次モーメント\(I\)  ポンプのサイズでほぼ決まる。

上記の要素は、危険角速度の設計のための要素ではありません。

ヤング率\(E\)を選定することはなく、材料の耐食性などから材質を選べば、自動的に決まります。

質量や断面二次モーメントもポンプのサイズ、つまり能力や軸の強度などによって決まります。

危険角速度を考えるうえで、唯一変えることのできる設計ファクターは長さlになります。

ベアリングの位置を調整

長さを調整するのに、最も簡単な方法はベアリングの位置です。

軸の長さlを計算するにあたり、ベアリングから羽根車までの長さを考えます。

ベアリングのような物を、振動理論では固定点と呼びます。

固定点であるベアリングから、自由端である羽根車までの距離が、

危険角速度に依存するという関係になります。

ポンプの固定点

ポンプの固定点としてベアリングが最重要ですが、他にも固定点となる要素があります。

例えば、ポンプの内溶液そのもの。

内容液が水であれば水の重みだけでも、質量mを増加させる方向に動きます。

軸封もグランドシールであれば固定点に近くなります。

ライナーリング部も羽根車とケーシングの距離が近く固定点に近くなります。

ブロアーの固定点

ブロアーの場合は、固定点が少ない側です。

送る物体が液体でなくて気体であること。

軸封にグランドシールを使わずに、ラビリンスシールなどを使うこと。

おわりに

危険速度とポンプ・ブロアーの関係について紹介しました。

ポンプの方がブロアーよりも危険速度が低いのは、固定点の差があるからです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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