【専門・均一】化学工場の連続とバッチによる設備構成の違い

撹拌化学工学

NEONEEETです。

この記事は、化学工場に興味がある人を対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の生産方式ごとの設備構成の違いについて知ることができます。

単位操作と設備構成は違う

化学工学の世界では「単位操作」というワードがあります。

古いものでは以下のような単位操作があるでしょう。

  • 伝熱
  • 流動
  • 蒸発
  • 蒸留
  • 抽出
  • 晶析
  • 調湿
  • ろ過
  • 乾燥

化学工学の教科書に書いてありそうな項目を拾ってきました。

私は化学工学を専攻していません。

会社に入ってから必要な知識だけを学びました。

バッチ系化学工場で使う単位操作だけを拾ってきている感じがします。

この単位操作と設備の構成は1:1で対応しません。

連続とバッチの違いを単位操作で議論しようとしても、きれいに整理できないのはこの辺が原因だと思います。

運転条件の主要要素である圧力や温度は違いますよ。

でも、化学工学的な単位操作という意味ではあんまり変わりません。

そこで、連続とバッチの違いを、設備の構成という切り口で紹介しようと思います。

連続とバッチの設備構成の違い

連続は設備構成が専門的

複数の連続工場を見て回ると、こんな感想を抱くと思います。

どこもバラバラしている

これは、簡単に言うと

そのプラントが単一製品に焦点を当ててカスタマイズされている

と言えます。

設備配置に統一感がない

連続プラントでは塔や熱交換器が張り巡らされていますが、

その配置は素人が見てもすぐに分かるくらい、プラントごとに統一感がありません。

塔は塔・熱交換器は熱交換器というような、階やエリアごとの設備配置がありません。

階数が異常に多かったり、架構の床面積が階ごとに違ったり、無駄に階段があったり。

バッチ系化学工場担当の私が見ると、違和感のある構造です。

単位操作と設備構成が一致しない

連続プラントの反応工程は、酸化・重合・分解・蒸留などがあります。

このいずれの反応工程も、共通化されていません。

塔・熱交換器・リボイラー・ポンプなどの構成は同じですが、

構成する設備数はバラバラです。

酸化工程で1つの塔・2つの熱交換器・1つのリボイラー・1つのポンプだったとして、

重合工程で3つの塔・5つの熱交換器・1つのリボイラー・3つのポンプというような構成だったりします。

とにかくバラバラです。

一度建てると改造がしにくい

連続生産をするということは、その製品が1年365日運転できるだけの需要のある製品と言えます。

大量に生産する需要のある製品です。

1つのプラントを建てるためには膨大な投資が必要です。

そこで1つの製品に特化したプラントを作るのは、かなりの投資判断が必要。「

連続工場のプラントを建てるというのは、かなり勇気のいる話です。

その製品の売り上げが悪くなったときに、他の製品を導入するのがかなり難しいです。

大幅な改造が必要となります。

バッチ系化学工場を担当していると、羨ましいと思いつつ、少し可哀想にも見えます。

オペレータが勉強する機会が少ないですから^ ^

バッチは設備構成が一様

基本構成要素が同じ

バッチプラントは切替生産を行うために、設備構成はほぼ同じです。

反応・蒸留・抽出・晶析

いずれも同じ設備構成で行います。

すべてを反応器で実施します。

反応器・熱交換器・ポンプが1セット。

この組み合わせを10~20個並べます。

どのプラントも見た目が同じ

バッチ系化学工場を見学すると、この意見が出ます。

1つ見れば十分。飽きる。

本当にこのとおり。

  • 1~2階に反応器を設置
  • 3階に粉体原料や液体原料の仕込み室を設置
  • 4階に熱交換器を設置

ほぼこの構図です。

バッチ系化学工場のプラントレイアウトは、ほぼ最適化されています。

機能拡張性は低い

切替生産が多く、新製品の導入や合理化も多いため、設備改造工事が多いです。

最適化されたバッチプラントでも、連続プラントと大差ありません。

最初は空間的に余裕のあるバッチプラントでも、

少し改造をするだけで、一瞬で拡張性がなくなります

プラントレイアウトの最適化は、プラント設計の合理化として定期的に話題になりますが、

実現する機会がないために、絵にかいた餅状態になります。

特殊な設備の需要は減っている

連続プラントなら特殊な設備は必要です。

ところが、大半のバッチプラントは、特殊な設備を要求する時代ではありません

そもそもメーカーが対応してくれません。

そんなに体力のあるメーカーがありません。

連続プラントでカスタマイズした設備を作ろうとしても、それを設備メーカーに依頼するのは辞めた方が良いでしょう。

社内で専門的に研究する部隊を設けるか、外部の研究機関に依頼するなど

特別な対応が必要となります。

最後に

設備構成だけを見ると、連続はバラバラ、バッチは統一。

生産方式上は連続は止めることがなく、バッチは止めて動かしてを繰り返す。

何となく、設備構成と生産方式の持つイメージが、真逆のように見えますよね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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