原料・反応・設備がちゃんとしていても人が介在する場所で”トラブル”が起こるのが化学プラント

人が介在運転

化学工場で”トラブル“が起こる原因は、実は人の要因が大きいことを解説します。

化学反応を使う化学プラントは万が一危険な状態になったらその被害はとても大きいです。

ここに対しては、工場作業員だけでなく地域住民も大きな関心を寄せています。

そこにだけ目を向けすぎて細かいトラブルに気が届かないがゆえに、人によるトラブルは起こります。

どんなトラブルが起こるのか見ていきましょう。

道に迷った人のイラスト(アジア人男性)

この記事は生産部の管理者や機電系エンジニアの目線で書いています。

安全教目線とは違いますので、ご注意ください。

彼らは新たな目線と称して、トラブルの元を掘り起こすのが仕事ですから・・・。

保安設備は金で解決できる

化学工場の反応を適切に監視制御する仕組みは保安設備として整備します。

典型例はDCSでしょう。

DCSで遠隔自動監視をしつつ、異常が出ればアラーム→インターロックと制御します。

作業員の省力化だけでなく安全装置としても機能します。

  • 原料のCoAが適正である
  • 反応が通常通りの管理範囲内で進行している
  • 設備・計器が健全である

という条件が満たされれば、そうは変なトラブルは起こりません。

これを突き詰めると連続プラントの運転のように、人はパトロールだけをすることになります。

仕込・充填

化学工場で人がどうしても介在しないといけない場所があります。

典型例が仕込や充填です。

  • 液の仕込はローリーからタンクへの移送
  • 粉体の仕込みはホッパー等への直接投入
  • 充填は配管ラインの弁の開閉
  • サンプリングは配管ラインの弁の開閉

こういう作業は人が行わないといけません。

自動化設備も徐々に開発されていますが、完全自動化には程遠いでしょう。

自動車の自動運転が進んでローリーが自動運転できるのか?というのは個人的には興味があります。

この人が行う作業は、どれもプロセス系内と大気が接する可能性のある場所です。

爆発性雰囲気を形成して火災爆発を起こすリスクがあります。

粉体なら粉じん爆発もいつ起こってもおかしくありません。

静電気対策など基本的な対策を人がちゃんと取らないといけません。

被液をしてしまうリスクも十分にあります。

保護具をちゃんと付けましょう。

面倒だから・・・と省略されがち。

アナログでソフト的な対応ですが教育を繰り返し行うしか手がない部分です。

サンプリング

サンプリングも人が介在する生産プロセスです。

仕込充填と同じ扱いが可能ですが、危険度はちょっと変わります。

問題は危険物の量

サンプリングは取扱量が低い傾向にあります。

ポンプ周りの配管でサンプリングする場合は、仮にサンプリング液が燃えたとしても膨大な危険物に延焼するリスクは若干低めです。

タンク内から直接サンプリングする場合は、タンク内の液量分リスクは上がります。

仕込みや充填ではちょっと違います。

ローリーから仕込む場合はローリーの液量分、充填の場合は屋外タンクの液量全部に影響に影響がでる場合があります。

仕込・充填と一言で解決できない問題ですが、サンプリングは相対的にリスクが低いという意味でちょっと使い分けています。

運搬

運搬は原料や廃棄物を想定しています。

ドラム缶なら人が転がしたり、ドラムポーターで人が動かします。

フレコンなどはパレッターで運搬します。

人が作業するところに怪我あり。

腰を痛めたり、指を挟んだり・・・

ケガも立派なトラブルです。

反応・設備周りが安定すればするほど、怪我トラブルが目立つようになります。

逆に反応・設備が安定していると高評価を持てそうな気もしますが・・・。

車をバック駐車しようとして何かにブツけたなんて例は1年に数回出る定期的トラブルです。

通行

運搬を突き詰めると通行だけでもトラブルが出ます。

突起物につまづいた・段差で足をくじいた・水で塗れた床面で滑った・手すりを持ったら手すりが壊れた・・・

いくらでも起こります。

人が介在する場所として通行そのものがリスクとなります。

ここまで来たら、社員の体調管理や健康管理に加えて筋力などの話にまでいきます。

ラジオ体操に加えて筋トレをしましょう。オペレータだけでなくても事務系もみんなで!

って感じになりそうです。

工事

工事は究極の人で作業です。

運搬や通行というレベルで問題になる工場なら、工事は徹底した管理が必要になるレベルです。

所せましと大勢の人数・他業種が入り乱れ、そのプラント内のマナーやルールは良く知らない。

リスクの塊です。

当然ながらトラブルは起こります。

これが表立ってこないということは・・・裏に何があるかはお察しください。

メンテナンス

メンテナンスも工事と近い発想ですが、日常点検を対象にしています。

工事ほどの作業リスクはないけども、通行よりは作業リスクがあるという程度です。

高所に上るリスク・回転機に巻き込まれるリスク・・・

わずかですがリスクはあります。

そうすると転落などのトラブルがあります。

ここまで言い出したら、全自動化したくなってきますね。

最後に

化学工場でトラブルが起こるのは人が介在する部分という目線で解説しました。

原料・反応・設備が上手くいっていれば大きな問題は起きません。

後に目立つのは現場作業。

仕込・充填・サンプリング・運搬・通行・工事・メンテナンス

人がいればトラブルが起こるという目線で自動化が進みそうな気がします。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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