【電圧・トルク・電流】電圧変動がバッチ系化学工場に与える影響

電気電気設計

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、バッチ系化学工場の設備に対する電圧変動の影響について知ることができます。

結論

この記事の結論です。

  • 電圧変動は避けることができない。
  • 誘導電動機は、±10%までは大丈夫。
  • 誘導電動機は、電圧が下がるとトルクが下がり、電流は上がる。
  • 照明は、電圧が下がると寿命が劇的に下がり、明るさも下がる。

はじめに

電気の話は、ほとんどの人は理解していません。

電気を知らない大半の人はそもそも勉強する気がない。

電気を知っている工場の電気専門家が素人に教えるのが下手。

という状況がどこの工場でも多いのではないでしょうか?

そこにチャレンジする企画です。

電力損失が電圧変動の要因

電力損失

ポンプの配管摩擦損失と同じように、電気にも電力損失という概念があります。

電力損失は、

電流の2乗×電気抵抗の1乗

で定義されます。

電気が流れると、電気の損失が起きます。

この損失は、主に熱の形で周囲に発散されます。

15%程度が電力損失

この電力損失。かなり大きいです。

発電所で作った電力のうち、なんと15%程度が電力損失というデータがあるようです。

もったいないですね。

水送液用のポンプでは 60〜70%くらいの効率で、残りは無駄なエネルギーとなっているので、

電気の損失の方が少ないと言えますけどね。

電力需要の変化により電圧は変動

電気を常に一定量使い続けていれば、変動は起きません。

同じ量だけ電気を発生させ、同じ量だけ電気を消費する。

そうすれば、電圧は基本的に変わらないと思うでしょう。

ところが、色々な変動により、電力需要は変化します。

  • 朝夜など時間差。
  • 夏冬など季節差。
  • 需要先の人口変動。
  • イベントなど突発的要因。
  • 天災等の不明確要因。

電力損失は電流に依存します。

ユーザーが変われば電流も変動し、電力消費が変動し、電圧が変動する。

というように、電圧変動そのものは避けることができません。

誘導電動機に対する影響

±10%まではOK

電気特性的には±10%までは問題ないようです。

200V電圧なら、180〜220Vくらいですね。

それより大きな変動があるとどうなるでしょうか?

トルクが電圧の2乗で影響

化学工場の場合、ポンプなどに誘導電動機を使います。

ここでポンプ側にとって重要な情報がトルク。

電気の力でトルクを生み出して、流体に力を加えます。

電圧が下がると、トルクは電圧の2乗で下がります。

電圧が下がれば下がるほど、影響が大きくなります。

電圧の2乗で効く理由は、

トルクが磁束×回転子の電流に比例し、

磁束も、回転子の電流も電圧に比例するから。

電流は電圧に反比例

誘導電動機に流れる電流は電圧に反比例します。

電圧が下がると、電流は上がります。

というのも、電動機の回転数は周波数が変わらないと変化しないため、

ポンプに加える回転数が変わらず、ポンプには電圧が下がっても、電圧が下がる前と同じ力が必要とされます。

電圧が下がった分だけ、電流がカバーするという形になります。

照明に対する影響

バッチ系化学工場で電圧の影響を考慮する電気設備は、

ほとんどが三相かご型誘導電動機です。

だから、他の電気設備はほとんど考慮する必要なし。

唯一考慮できるものが・・・

そう

照明!

なんというか、急に化学工場っぽくない雰囲気が出てきますね。

それでも、工場萌えという単語があるように、

照明は電気設備として立派な機能があるだけでなく美観的な要因も含まれます。

照明は重要な電気設備です。

暗い工場だと、照明がないと作業ができなくて、危険です。

化学工場では特に照明不足になりがち。

そんな照明ですが、電圧とどういう関係があるでしょうか?

光束が電圧の 3.6乗、電力が電圧の1.6 乗、寿命が電圧の13.6 乗のようです。

寿命が凄いですね。

明るさもかなりの影響があるようです。

とはいえ、照明は壊れたら変えればいいですからね。消耗品扱いです。

おわりに

我々が電気を安定的に使えるのは、電圧が安定しているからです。

電圧が不安定になれば、設備の多くの箇所に影響が出ます。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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