化学プロセスでは条件は1回に1つしか変えてはいけない理由【エンジニアは知らない】

物理化学工学

NEONEEETです。 

反応では1回に1つしか条件を変えてはいけませんよ

エンジニアは1つも変えないことが多いですけどね^^

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学プロセスでは条件は1回に1つしか変えてはいけない理由を知ることができます。

化学プロセスでは条件は1回に1つしか変えてはいけない理由

化学プロセスでは条件は1回に1つしか変えてはいけません。

生産部やプロセスエンジニアにとっては当然のこと。

別に製造業に限らず、多くのことに手を出さずに1つ1つトライしていくこと自体は共通した発想です。

製造業やビジネスに限らず、生活でも同じ。

理由はかんたん。

どの要素がどういう影響を与えたか分からなくなるから

数学で関数の概念を学んだ人なら、ある程度理解できる発想のはずです。

化学工場での例を紹介して、機械エンジニアなど生産部以外の人の参考になってもらえれば幸いです。

化学プロセスは長い日数がかかる

化学プロセスは長い日数が掛かります。

プロセスを理解している人なら当然のこと。

機械エンジニアはプロセスの理解が少なく、日数のことすらイメージしていない人もいます。

バッチ系化学プロセスの簡単なイメージを紹介しましょう。

バッチ系プロセスでは、反応器を1つの単位として個々の反応器で色々な処理を掛けていきます。

反応レベルでは、複数の「反応」を経て、最終的に晶析→ろ過→乾燥の処理を掛けて、粉体として製品に仕上げます。

「反応」を細かく見ると、原料を仕込反応そのものを行うプロセスと、溶媒の回収や廃棄などの処理を行うプロセスに分割できます。

同じ容器で全ての処理をするには24時間以上の時間が掛かってしまうので、

別の反応器に移送することで24時間の縛りから回避しようとします。

こんなバッチ系プロセス。

最初から最後まで通るには、短くて1週間・長くて2週間の時間が掛かります。

何か1つを変えても結果が出るのが長くて2週間。

いろいろな要素を変えてしまうと、解析が面倒になるのが想像できるでしょう。

条件を変えた反応だけで結果がすべて出るわけでない、というのがポイントです。

化学プロセスは条件が多い

化学プロセスでは変更可能な条件が非常に多いです。

  • 流量
  • 温度
  • 圧力
  • 液面
  • 濃度
  • pH
  • 時間

この辺が一般的な変更要素です。

1つの反応器でこれらすべてが条件となるわけではなく、1つの条件が1つの反応器で1回しか関与しない訳でもありません。

変更要素がさまざま、ということが分かればOKです。

こんな状態で2つ以上の要素を変えてしまうと、2週間後の結果が出た時に困りますよね。

プロセストレンドの日々のチェックが大事

バッチ系プラントではプロセストレンドの日々のチェックが特に大事です。

連続プラントでも定性的には同じ表現が可能ですが、各種測定値の「ブレ」を気にするのが中心です。

バッチプラントでは各種測定値と時間の関係をチェックしないといけません。

プロセストレンドを見た時に、バッチプラントでは時々刻々条件が変わります。

1日に1バッチの場合は、1日サイクルでプロセストレンドが完結します。

実際に24時間丸々を消費するプロセスは珍しく、大抵は数時間の空きがあります。

実際の運転が、毎日決まった時刻で始まるわけでなく、運転状況など様々な要因で時刻は変わります。

9時00分に反応をする場合もあれば、9時10分くらいにズレる場合も。

これはトレンドの形状を変える要素。

昨日と今日のトレンドが時間的に完全に同一になることは少ないです。

「ズレ」だけを見れば良いわけでなく「時間」の補間も必要になるのがバッチプラントの特徴。

この辺の補正も行う解説ツールが登場し始めていますが、まだまだ。

人間の解析能力がまだ使える部分です。

生産部の人間は、朝出勤すると昨日のトレンドをさっと眺めて、異常があったかどうかを判断します。

変化があったらすぐに気が付きます。

1つの要素だけを変えていた場合、○日後にこんな変化が起こるはずだ!

と予想をしたうえでチェックをし、プロセス変化の結果を即断します。

これは、「通常のトレンド」のイメージを持っているから可能。

変化に敏感なのが生産部の人間ですが、思考力が特別に優れているわけではありません。

1つ1つ変えているからこそ、対応できます。

この辺は、エンジニアには無い発想ですね^^

最後に

化学プロセスでは条件は1回に1つしか変えてはいけない理由を紹介しました。

化学プロセスは長い日数がかかる・化学プロセスは条件が多い・プロセストレンドの日々のチェックが大事

最近ではトレンドの統計的な解析ツールが登場し始めていますが、一般化されるには時間が掛かります。

アナログですが日々の変化をチェックすることが化学生産では大事です。

エンジニアにはこの発想が薄く、変えるという思想が身に付きにくい環境ですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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