【キャビテーション・脈動】渦巻ポンプの異常現象と対策【硬度アップ】

ポンプ保全

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学工場で良く使われる渦巻ポンプの異常現象について知ることができます。

キャビテーション

キャビテーションは「流れている液体が沸騰して泡が発生する」現象です。

流れている液体の圧力が、飽和蒸気圧以下まで低下した時に、沸騰します。

液体が流れている時は、強制流れが起きているので、ある部分で沸騰が起こって泡が発生しても、周りの液体の力ですぐに泡は崩壊します。

泡が発生する・泡が崩壊する、いずれも体積の急激な変化が起ころうとする動きが起こります。

管路内の体積は大きく変わることはできないので、圧力が急激に変化します。

温水が危険

キャビテーションの一般論は、上記の通りでどこでも見つけることができます。

教科書的な内容です。

では、現実に目を向けてみましょう。

どういった条件で発生するでしょうか。

答えは「高温の温水」です。

80℃~90℃くらいの温水を、スチームと水で作成する工場は多いと思います。

この何気なく使われている温水が、キャビテーションが最も起こり得る状況です。

高温の温水は100℃になるとスチームという水蒸気になります。

80℃~90℃の温水は蒸気圧がかなり高い状況になっている、ということを知っておくだけでも、キャビテーションをより身近に検討することが可能です。

サージング

サージングは圧力と流量が激しく周期変動を起こす現象です。

サージングの原因は「特定の性能曲線を持つポンプと特定の配管系統」によります。

特定の性能曲線とは、ポンプの性能曲線が右肩下がりではなく、

化学工場で使うポンプは渦巻ポンプがほとんどですので、「特定の性能曲線」を回避することは難しいです、

「特定の配管系統」は例えば、ポンプ吐出直近のバルブを絞って運転するか、受入タンク直近のバルブを絞って運転するか、という話です。

結論は「ポンプ吐出直近のバルブを絞る」です。

ポンプ吐出直近のバルブで制御することで、配管系統の抵抗曲線は安定側に動きます。

これが、タンク直近のバルブで制御しようとすると、危険側に移ります。

この辺りは、非常に専門的な話です。

これを意識しているかどうか分かりませんが、工場では一般的にポンプ吐出直近のバルブで制御していると思います。

脈動

脈動は、ポンプと配管系統で発生する圧力変動の事です。

ポンプの運転速度と配管系統の固定方法に原因があります。

ポンプ自身が加振源として考えられます。

インペラの形状・ポンプの運転速度などから決まる加振振動数に対して、配管系統の固有振動数が一致して、共振することが脈動の要因となります。

ポンプの運転条件を変えるのは、一般に難しいです。ということで、加振源は変更しにくい。

配管系統の固有振動数は変更が容易であり、単にサポートを増やしたり減らしたりするだけです。

渦巻ポンプで脈動が起こった場合は、まずは配管系統の固定方法を確認してください。

摩擦腐食の原因

これらのポンプ運転時の異常は、急激な圧力変動を伴います。

これがインペラや配管に衝撃として伝わります。

ポンプの異常運転により、摩擦が促進されて、腐食や破壊の要因となります。

硬度を上げる

これらのポンプの異常運転は、ポンプを壊す要因となります。

これをポンプ側で対応しようとすると、「硬度を上げる」という方向になります。

典型例は、ベアリングとシャフトです。

ベアリングの材質を固めの物にしたり、シャフトに硬度処理を施すという方法です。

寿命を延ばすことは可能ですが、本質的には運転方法を見直すように、機器設計をする事だと思います。

最後に

ポンプの異常運転は、ポンプを確実に蝕みます。

運転員・保全員・設計員それぞれが自身でできる範囲を明確に把握して、情報を共有することが大事だと思います。

誰かにお任せする、という考えでは解決しません。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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