【全量液抜き・作業性】底抜きノズルのあるタンク貯槽のノズルオリエンテーション

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NEONEEETです。

底抜きノズルって当たり前すぎませんか。

屋外タンクなど平底の存在を忘れているようですね^^

この記事を読むと、底抜きノズルのあるタンク貯槽のノズルオリエンテーションの考え方を知ることができます。

底抜きノズルのタンク貯槽のノズルオリエンテーション

ノズルオリエンテーションはタンク設計の中でも相当複雑な部類にあります。

タンクの容量を決めて、板厚を決めるまでが限界で

ノズルオリエンテーションは後回しにして、スケルトンを書いてとにかく発注!

っていうパターンは非常に多いです。

この結果、メーカーから図面が来た時になって悩み、

既設と同じ配置にしたり、配管の繋ぎこみだけを考えて決定したりする展開になります。

でも、本来はこれではダメ。

機械設計の立場でノズルのオリエンテーションの主要な制約条件を決めたうえで、

機器製作の都合や配管レイアウトの都合を織り込む、という形にしたいものです。

底抜きノズルの特徴

底抜きノズルの特徴をまずは整理しましょう。

当たり前のように見えますが、言語化することで本質が見えてきますので。

全量液抜きができる

当たり前のように見えますが、非常に大事なことです。

底抜きノズルがあると全量液抜きができます。

逆に言うと

底抜きノズルがないと全量液抜きはできません

これはバッチ系では特に大事です。

切替生産をするということは、プロセス設備を洗浄しなければいけません。

次の製品で使用できる程度まで洗浄しようとすると、

全量液抜きは非常に有利に働きます。

連続工場でも程度の差はあれ、全量液抜きは必要です。

だから、化学工場のかなりの設備が底抜きノズルが付いた設備で構成されています。

底抜きノズルは全量液抜きが可能!

底の中心部に液抜き

これも当然のようですが、大事なことです。

底抜きをする場合、中心部に向かって抜くようにするのが基本です。

設備の重量バランスが中央に来るようにするためです。

下のようなイメージになります。

漏れると大ごと

底抜きノズルを付けるということは、いったん漏れると全量漏れることを許容しているといえます。

それはそうですよね。

全量抜き出しを前提とする底抜きノズルで、万が一ノズルから漏れれば、全量漏れます。

水などの安全な液体なら気にならず、家の水回りでは気にならないですよね。

でも、危険な化学薬品を扱うタンクでは、底抜きノズルにはメリットとデメリットの両方があることを意識しておくべきです。

あまりにも多くの設備が底抜きノズルを付けているので、当然のように思っている人もいますが、注意したいところです。

タンクの底抜きノズルラインに、ねじ込み継手挟み込み部品を付けているケースが見られますが、これは漏れのリスクを考えていない設計です。

底抜きノズル付きタンク上部の作業性とオリエンテーション

底抜きノズルが付いたタンクのオリエンテーションは、タンク上部の問題に限定されます。

というのも設置状況を考えれば分かること。

底抜きノズルが付いたタンクの設置イメージは以下のとおりです。

タンクの上部に人がアクセスする場所があり、そこで何らかの作業をする

底抜きノズルが付いているのでタンクは床面から浮かせないといけません。

底抜きノズル自体の高さが、人が作業できる場所に設定します。

そうすると、タンク上部は非常に高い位置になります。

ここにアクセスして作業することが大事な問題になります。

一部のタンクでは横抜き・横出しなどの機能を持たせることもありますが、レアケースなので今回は除外します。

タンク上部のノズルオリエンテーション

タンク上部のノズルオリエンテーションを見てみましょう。

以下のようなイメージになります。

ガスラインは中央

ガスラインはタンク中央に配置します。

これはタンク上部が皿型やコーンルーフ型である場合をイメージしています。

平蓋タンクでタンク中央に配置する必然性はありませんが、

設計思想を統一するという意味で、中央部に配置する方が分かりやすいと思います。

反応器などタンク中央部に攪拌機を設置する場合は、ガスラインは中央には配置できませんが、それは別に考えましょう。

マンホールは通路に近い位置

マンホールは通路に近い位置に配置します。

これも当然といえば当然。

マンホールを付けれる余裕がない小さなタンクでも、200A程度のハンドホールは設置しておきたいです。

いずれにしろ、マンホールという大きなノズル位置を最初に決めるべきです。

バッチ系化学工場では、例外は粉体系に限定されるでしょう。

ヘッダーは作業エリア側

ヘッダーは作業エリア側に配置します。

作業エリアとはマンホールに近い側の部分です。

ヘッダーだから液を受け入れる口のことですね。

液の受入ヘッダーにはバルブが付いているのが普通なので、そのバルブ操作をするために、作業エリア側に配置します。

窒素の入口だけを単独ノズルにしている場合もありますが、これも作業エリア側に配置する方が良いです。

非作業エリアにはノズルはあまり配置しない

その他の用途のノズルは非作業エリアに配置します。

非作業エリアはマンホールと反対側の位置のこと。

非作業エリアにはノズルそのものを配置したくないです。

付けるとしても以下のような用途に限定したいですね。

  • 照明口
  • 液面計
  • 破裂板

これらは作業頻度や点検頻度が少ない用途ですね。

設備の据付条件が数パターンできる

底抜きノズルをつけると設備の据付が数パターンできます。

逆に底抜きノズルがないと、タンク基礎の上に直置きが普通です。

底抜きノズルがあると、そこから液抜きをするために、タンク本体を宙に浮かせる必要があります。

そこで考えられるパターンは2パターンあります。

  • タンクの胴部から脚を出して、脚と地面を固定する。
  • タンクの胴部を、設備の架構で支える。

脚で支えるとスペースを圧迫

脚で支えると、作業床に脚が付きます。

それは作業床のスペースを潰す方向になります。

化学工場では多くの配管や設備が配置されており、

床面のスペースをできる限り開けたいと思うのが、エンジニアとして普通です。

床を貫通させる設備の方が、もっとスペースを圧迫するため

架台で支えるパターンの方がスペースを圧迫しそうですが、そこは省略します。

架台で支えるとコストを圧迫

架台で支えるというのは、

  • 天井から吊る
  • 地面から支える
  • 床面を貫通させる(2階以上)

の3パターンあります。

このうち、地面から支えるパターンは、脚で支えるということとほぼ同じです。

天井から吊るという場合、コストを圧迫します。

なぜか?

機器の受け梁が必要なので、工場の梁構造が複雑になるからです。

床面を貫通させる場合と天井から吊る場合は。梁の構造はあまり変わりません。

床面を貫通させると、上階のスペースが劇的に圧迫されます。

天井から吊る場合は、吊り部材が必要となり、アクセスするための作業床が必要となります。

この辺は、設備の重要性で変わってきます。

メリットデメリットを考えて、それぞれのケースに適用させるしかないでしょう。

まさにエンジニアの実力が試されますね!

最後に

底抜きノズルのあるタンク貯槽のノズルオリエンテーションの考え方を解説しました。

底抜きノズルがあるかないかだけで、制約条件は変わります。

このように、複雑な条件設定のある化学工場の設備について

ある項目に着目するだけで、整理がしやすくなるものは非常に多いです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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