【マンホール・配管立上り・作業性】平底タンク貯槽のノズルオリエンテーション

配管配管

NEONEEETです。

屋外タンクのノズルオリエンテーションって液入口だけ考えればいいでしょ。

奥が深い世界ですので、それだけではありませんよ。

この記事を読むと、平底タンク貯槽のノズルオリエンテーションの考え方を知ることができます。

平底タンク貯槽のノズルオリエンテーション

平底タンク貯槽のノズルオリエンテーションの考え方を解説します。

ノズルオリエンテーションはタンク設計の中でも相当複雑な部類にあります。

タンクの容量を決めて、板厚を決めるまでが限界で

ノズルオリエンテーションは後回しにして、スケルトンを書いてとにかく発注!

っていうパターンは非常に多いです。

この結果、メーカーから図面が来た時になって悩み、

既設と同じ配置にしたり、配管の繋ぎこみだけを考えて決定したりする展開になります。

特に屋外タンクは配置と合わせてノズルオリエンテーションは重要な設計要素です。

作業性やコストに直結します。

平底タンク貯槽を選ぶ理由

タンク貯槽の底部形状が平底である理由ってなんでしょうか?

基本的すぎて改めて問われると困るのではないでしょうか。

平底タンクを選ぶ理由はいくつかありますが、以下の理由が多いでしょう。

  • タンク容量が非常に大きい
  • コストを削減する
  • 全量送液が求められない

屋外タンクが基本的に平底形状であるのは、容量が大きいからですね。

形状が大きいタンクであればあるほど、ノズルオリエンテーションの自由度は高くなり難易度が上がっていきます。

ノズルオリエンテーションを考えるにあたって最初に考えるべきことは以下のとおりです。

  • 側板マンホールと天板マンホールは距離を取る
  • 液入りノズルと液抜きノズルは距離を取る
  • 天板上での作業は極小化

高い自由度の設計では、自由度を限定するための思考を第一におこなうべきです。

①側板マンホールと天板マンホールは距離を取る

最初に設計すべきノズルはマンホールです。

ノズルオリエンテーションに限らず、設計においては「大きなものから順番に決める」というのが大事です。

プラント建設において反応器や塔を最初に決めるのと同じこと。

マンホールはノズルの中でも最も大きなものです。

ここから決めましょう。

マンホールは「天板マンホールと側板マンホールの距離を取る」というのが基本思想。

以下のようなイメージです。

全量液抜きができない平底タンクには側板にマンホールを付けます。

これは中に人が入って掃除をするためです。

側板マンホールだけでなく天板マンホールも必要です。これは、

系内を空気で置換するときに、置換効率がいいようにする。滞留を少なくする

という思想から来ています。作業の安全性を重視しています。

マンホールの位置は、ノズルオリエンテーションの大きな制約条件となります。

②液入りノズルは液抜きノズルから離す

マンホールの次は、液入りノズルと液抜きノズルの位置関係を考えます。

ここにも制約条件があります。

液入りノズルが液抜きノズルから近すぎると問題があります。

液がタンク内に入る時に、液体内に溶け込んだガスが気相部に出ていきます。

いわゆる泡というものですね。

これが液抜きノズルと近いと

気泡がポンプ側に巻き込まれ、キャビテーションが起きやすくなります。

これが液入りノズルの制約条件となります。

③天板上での作業を極小化する

平底タンクの場合、一般に大型のタンクになります。

ここで天板に配管を接続しなければいけませんが、

いろいろな作業を地上面で行えるようにするのが、作業員の安全上、好ましいです。

  • 逆火防止装置の網と開放口は天板上が好ましい
  • 配管のバルブや逆止弁は地上が好ましい。
  • 配管の閉止板を設置するのは地上が好ましい。
  • 複数の配管をタンクに接続する場合は、できるだけ地上でヘッダーを組む方が好ましい。
  • 天板上のノズルは全方位均等ではなく、一方に固めた方が良い

天板上に設置しなければいけない配管やアクセサリーは少ない方が良いです。

天板の高いところに定期的に登る作業は、一般化すべきではありません。

天板のノズルの一方に固めるという思想は、普通の配管エンジニアは思いつきません。

これは機械エンジニアが気付いてあげるべきポイントです。

イメージとしては以下のとおり。

天板上のマンホールに近い部分に作業エリアを設けます。

液入りノズルはこの作業エリア近くに配置するのが好ましいです。

天板上のマンホールから離れた場所は、できるだけノズルを設けない方が良いです。

というのも、作業デッキの大きさが過剰に大きくなるからです。

タンクの大きさが大きくても、実際に作業に必要な面積は大きくなく、作業エリアを集中する方がコストメリットがあります。

作業エリアやマンホールを外した位置に、配管の立ち上がりスペースを設けます。

これはタンクに対しては大きな制約はありませんが、天板や側板のマンホールから外した方が良いでしょう。

配管立ち上がりスペースは、周囲の配管ラックの位置で決まるので、

タンクとポンプの位置関係で決まってきます。

タンクとポンプの位置関係に影響を与えるのは液抜きノズルですよね。

制約条件を組み合わせると自由度は減少

これまでに上げた制約条件を重ねていくと、ノズルオリエンテーションの自由度はかなり下がります。

具体的には以下の程度まで限定できるでしょう。

  1. 天板・側板のマンホールの位置を決めて、
  2. 液入口と液抜き口の方位が決まれば
  3. 配管立ち上がり位置が決まります。
  4. 昇降口は配管立ち上がり位置を回避する位置に付けて
  5. 液面計は液入口と液抜き口の間くらいに配置します。

これだけ決まれば、あとは細かい位置の設定に限定されますよね。

5番の液面計を「液入口と液抜き口の間」に配置するのは、差圧式液面計を想定しているから。

液入口や液抜き口の近くに差圧式液面計を設置すると、液の脈動の影響を受けやすくなります。

液の動きによる動圧が最も低くなる部分が、液入口と液抜き口の間くらいの部分です。

液入口と液抜き口のノズル位置を180°確保した場合、差圧式液面計を90°の位置に持ってくると良いです。

これは、流路面積が最大となる方位です。

なお、差圧式液面計の均圧口を天板に設ける必要があるので、天板にはノズルを立てないといけません。

均圧ラインも最小化したいので、液面計の取付方位と同じ方位の天板上にノズルを立てます。

そうすると、昇降口は少しずらした場所に設置しないといけません。

タンクサイズが大きい場合は問題になりませんが、中途半端に小さい場合は昇降口の場所に多少悩むことになりがちです。

全部の制約条件を完全に満足することはできないので、ある程度は妥協しないといけなく、昇降口や液面計はそのターゲットになりやすいですよ。

最後に

平底タンク貯槽のノズルオリエンテーションの考え方を解説しました。

タンクの設計指針を各社保有しているかもしれませんが、

私がいる会社のようにノズルオリエンテーションの指針がない会社もあります。

こういう考え方を蓄積して標準化していきたいですね。

数十年前から変わらない考え方ですので・・・

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました