【配管・高さ・CV】バッチプロセス全体の圧力損失計算

制御化学工学

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象としています。

この記事を読むと、バッチプロセス全体の圧力損失計算について知ることができます。

結論

バッチ系化学工場の圧力損失計算の例として、

ポンプアップとヘッドの2ケースを紹介します。

はじめに

バッチプロセス全体の圧力損失計算の例を紹介します。

ポンプアップの場合

バッチ系化学工場の圧力損失の計算で最も多い場面を最初に紹介します。

下の図のようなポンプアップの場合です。

ここで圧力損失計算が必要な要素とその数値を紹介します。

項目要素損失(m)
タンクA内圧運転条件0
ストレーナ圧損メッシュサイズ0
ポンプB能力揚程揚程
タンクB高さ配置10~20
流量計圧損CV計算5
ポンプ吸込圧損配管圧損0
ポンプ吐出圧損配管圧損5
タンクB内圧運転条件0

吸込条件は無視

バッチ系化学工場ではタンクAからタンクBに液を送る時には、吸込み側はフリーになっています。

連続工場のように、タンクAの条件が制約条件になることはありません。

タンクAの圧力は0、ストレーナ圧損も0、ポンプ吸込圧損も0

この条件で考えることが普通です。

ストレーナの圧損は考えてもいいのですが、キリがありません。

タンクAの高さがある程度あれば、ヘッド圧でストレーナの圧損をカバーできることが普通です。

吐出条件は配管・高さ・CV

吐出条件で考えるべき要素は、配管の摩擦損失・配管高さ・CV、この3つです。

バッチ系ではタンクBもタンクAと同じでフリーになっていることが普通だからです。

タンクBが加圧状態でポンプを動かす場合もありますが、それは極めて限定的です。

配管の摩擦損失や高さは、ポンプの揚程計算で必ず考える項目ですね。

CV計算は、ライン中に調整弁があれば、という前提が付きます。

バッチ系でポンプアップしながら流量調整をするというのは、あまり多くはありません。

全くないというわけではありませんが、流量を制限するときにポンプを使わない方が多いです。

というのも、ポンプは圧力を上げることはできても、劣化等による変動が起こりえるからです。

流量を制限するというのは、運転上必要な流量を確保したいという制約があるから。

そこに不確定要素であるポンプを使うことは少ない

というのがバッチ系の思想です。

その他、特殊な条件について以下のようなものがあります。

  • ストレーナがポンプ出口にある場合は、5m確保
  • 出口ノズルがスプレータイプなど細い場合には、5~10m確保

ヘッドの場合

ポンプアップと対立する関係に、ヘッドがあります。

これは以下のような場面。

ポンプアップの場合と同じで、圧力損失計算に必要な要素をリストアップします。

項目要素損失(m)
タンクA内圧運転条件0
ストレーナ圧損メッシュサイズ0
タンクB高さ配置-5
流量計圧損CV計算5
配管圧損配管圧損0
タンクB内圧運転条件0

タンク高さと流量計圧損

ヘッドの場合も、ポンプ圧損と同じで、タンクA内圧・ストレーナ・タンクB圧損は0でいいでしょう。

これに加えて配管圧損も0

というのも、ヘッドの場合は流速は非常に小さいからです。

ポンプのように高い圧力が出るわけでなく、流速が遅いと配管摩擦損失はほぼ無視可能。

ということで、タンクA~タンクBの高さの差と、流量計のCVの値だけでほぼ決着が付きます。

タンクA~タンクBの高さを5mとして考えていますが、これは工場のサイズや配置によって変わります。

高さの差が1mも取れない場合は、要注意!

CV計算も満足のいく結果が得られないことがあります。

この場合は、以下のような対応をします。

  • タンクAを加圧しながらヘッドで落とす(タンクA内圧を上げる)
  • 常に一定量はタンクAに貯めるように運転方法を変える(タンクA~タンクB高さを取る)

おわりに

圧力損失計算のために、配管摩擦損失計算を真面目にすることは初学者にとっては必要です。

ところが、ここに拘り過ぎてはいけません。

実務上は、計算しなくても済むことが多いです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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